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平成30年度 施政方針

最終更新日:
 平成30年6月4日、第3回天草市議会定例会で中村市長が述べた本年度の施政方針を紹介します。
   ※概要「市政だより天草」掲載記事 PDF 平成30年度 施政方針(市政だより天草) 別ウィンドウで開きます(PDF:4.57メガバイト)
 

目次

1 はじめに

2 社会情勢

3 1期目4年間の振り返り

 (1) 市民目線の行財政改革

 (2) 強力な経済対策

 (3) きめ細かな生活支援

4 財政状況

5 平成30年度からの主な取り組み

 (1) 強力な経済対策

  ①産業経済部門

 (2) きめ細かな生活支援

  ①教育部門

  ②保健・医療・福祉部門

 (3) 魅力ある地域づくり

  ①観光・文化部門

  ②地域振興部門

  ③生活環境・防犯防災部門

  ④都市基盤整備部門

 (4) 市民目線の行財政改革

  ①総務・企画部門

6 おわりに

 

 

1 はじめに

 平成30年第3回天草市議会定例会の開会にあたりまして提出いたします、平成30年度の各会計補正予算ならびに諸議案の説明に先立ち、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げ、議員の皆さまをはじめ、市民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 皆さまご存知のとおり、3月の市長選挙におきまして、市民の皆さまのご支援とご支持を賜り、再選を果たすことができ、引き続き市政運営のかじ取りを担わせていただくことになりました。

 これまでの市政運営に、ご信任をいただいたことに感謝し、喜びを感じますとともに、市長としての責任と使命の重さに、あらためて身の引き締まる思いでございます。

 

2 社会情勢

 さて、我が国の経済状況は、雇用や所得の改善が続く中で「景気はゆるやかに回復しているとの認識に変わりはないが、より一層の取組みが必要と考える」と公表されています。
 このような中、先の国会演説におきまして、安倍内閣総理大臣は、少子高齢化を「国難」とも呼ぶべき危機に直面していると表現し、「働き方改革」「人づくり革命」「生産性革命」「地方創生」「外交・安全保障」への取り組みについて施政方針を出されました。

 また、九州財務局が平成30年4月に公表いたしました、県内の経済情勢報告では、「個人消費は、高額品等に動きが見られるなど、全体として、ゆるやかに回復している。生産活動は、海外需要等を背景に回復しており、雇用情勢は、有効求人倍率が高水準で推移するなど改善している中で、人手不足感が高まっている。」としています。

 本市の人口は、平成27年の国勢調査では82,739人で、平成22年の国勢調査時に推計いたしました平成27年時の人口予測81,365人と比較し、人口減少が、1,374人ゆるやかになっています。しかしながら、人口減少は進行しており、今後も、人口減少をゆるやかにするための取組みを進める必要があります。

 本市の総生産額は、水産業や建設業が増加し、プラス成長の動向となっており、家計所得も上昇傾向にあります。

 また、本市の雇用情勢では、有効求人倍率におきまして、平成26年4月時点では、0.8倍で減少傾向でしたが徐々に回復し、平成28年10月からは、1.0倍を超えた状態を維持し、平成30年3月現在では1.25倍となるなど改善が見られます。

 このように、緩やかではありますが、本市の情勢も良い方向に進みつつある結果から、これまでの政策が成果を発揮し、正しい方向を向いているものと考えているところでございます。

 

3 1期目4年間の振り返り

 これからの市政運営にあたりまして、平成26年4月からの4年間を振り返りますと、就任当初、私のマニフェストであります「市民目線の行財政改革」、「強力な経済対策」そして「きめ細かな生活支援」の3本柱を「明日への道しるべ」として政策を組み立てて進めてまいりました。
 平成27年度からは、この「明日への道しるべ」を網羅し、社会情勢や皆さまのご意見を踏まえまして、「第2次天草市総合計画及び前期基本計画」を本市の最上位計画として策定し、市議会のご承認を得て、計画的にそして社会情勢の変化に対する即時対応や政策の評価・検証を行いながら、各政策の実現に向けて取り組んでまいりました。

 

(1)市民目線の行財政改革

 まず、「市民目線の行財政改革」としては、庁舎建設や汚泥再生処理施設、防災行政無線の見直し、そして、合併時から3年以内とされておりながら、達成できておりませんでした上下水道料金の統一につきましても市民の皆さまのご理解とご協力により実現し、公平性の確保を行うことができました。
 さらに、天草市にとって念願でありました、第2天草瀬戸大橋の建設等、国への要望活動などを強力に進め、財源確保に至ることができました。

 これらの取組みで、後年の負担軽減を合わせますと、4年間で約106億円の大幅な削減効果を達成することができました。
 また、地域の活性化に向けたまちづくりや支所機能の充実にも取り組んでまいりました。

 まちづくりについては、「まちづくり計画推進事業」を創設し、地域で策定された計画に基づく活動を支援し、地域課題の解決や活性化に向けた新しい取組みに活用いただきました。

 次に、各支所においては、身近な問題やご要望について、スピード感を持って対応できるよう支所の権限拡大や予算の拡充を図り、身近な道路や施設の改良・改善など、迅速に対応できるように改革してまいりました。

 

(2)強力な経済対策

 次に、「強力な経済対策」では、起業創業・中小企業支援センター(通称:アマビズ)や天草宝島物産公社の設立に加え、チャレンジ基金の創設により起業創業・事業規模拡大を支援するとともに、雇用の創出に取り組んでまいりました。
 結果、起業創業に取り組まれた事業者は96件、雇用創出は294人と目標とする成果を得るとともに、アマビズや物産公社の設立・運営は、国からも先駆的な取り組みと認められ、その財源は地方創生交付金を充てられました。

 企業誘致にも積極的に取り組んでまいりました。

 トップセールスを行うとともに、地元の方々や関係企業などのご理解・ご協力を得まして、これまでに7社の誘致を実現いたしました。

 まず、平成28年1月に、「株式会社アイエスエフネット」さまを旧御領鬼池小学校へ誘致し、就労困難者(障がい者)の支援事業所として「アイ エス エフ ネット 天草」を開所され、2年間で11人が一般企業へ就労されております。

 次に2社目の「株式会社デンソー」さまは、地元企業組合の活動を契機に、ともに積極的な誘致活動を行いました結果、国内数ヶ所の候補地から、旧五和西中学校へ誘致し、平成28年7月に研究施設である「天草事業所」を開所されました。

 藻類から燃料を抽出するバイオマス研究が行われており、この2年間で、大きな研究成果が出ているとの報告を受けております。

 また、藻類を使用した飼料や食料品としての研究も、拓心高校や地元企業と連携して行っていただいており、高等教育の向上や新産業の創出に向けても多大な貢献をしていただいております。

 次に3社目「株式会社通宝」さまは、旧赤崎保育所に誘致し、平成29年11月に「天草通宝Factory(ファクトリー)」を開所されました。

 既に、主力商品である「風雅巻」などの製造をはじめられており、30人規模の雇用や天草産の原料を使用した商品開発に向けても研究が進められております。 

 次に4社目の「株式会社プレシード」さまは、半導体や電子部品などの製造装置の開発や製造を手掛ける会社で、平成30年1月に立地協定を締結し、旧城河原小学校への誘致が決定いたしました。

 現在、本年7月の「天草工場」操業開始に向けて、新規雇用者の研修や施設の改修が進められており、20名以上の雇用が計画されております。

 次に5社目、6社目の「株式会社コミクリ」さまと「みらい株式会社」さまの2社合同による企業誘致ですが、平成30年3月に進出協定を締結いたしました。  

 本年4月から2社合同で銀天街の空き店舗を借用され、サテライトオフィス設置の準備や、総務省の「ふるさとテレワーク推進事業」を活用して、「在宅就労ができるテレワーク環境」の整備を計画されております。

 テレワークとは、ICT(情報通信技術)を使った場所や時間にとらわれない柔軟な働き方で、本市では、子育て中の方々を中心に、今後100名程度のテレワーカーの登録を目指し、事業を展開されることになっております。 

 次に、7社目となります、「ジャパンシステム株式会社」さまですが、平成30年4月に進出協定を締結いたしました。同社は、ICTなどの先端技術を活用して、行政経営の効率化や業務改革の支援を行う会社で、五和支所の空きスペースへ誘致しております。

 今後、天草での事業内容に合わせて、10人以上の新規雇用も見込まれております。

 次に、本市の基幹産業であります第1次産業における主な取り組みとして、まず、農業振興では、農業経営法人化や農地基盤整備、そしてハウス整備を促進し、高品質および安定生産へ向けての支援や突発的な自然災害による被害への迅速な支援に取り組んでまいりました。 

 林業振興では、新増築にかかる天草産材の利用促進に取り組んだ結果、平成26年度からの3ヶ年で1,600㎥を超える木材使用実績となりました。

 次に、水産振興については、水産資源の維持回復を目指し、藻場の造成や種苗放流を積極的に展開いたしました。

 さらに、第1次産業全体では、平成29年度から5年間で200人の担い手を確保することを目標に新たな制度を創出いたしました。

 また、物産公社による都市部への販路拡大の取り組みにより、100社を超える取引先を開拓し、100品目を超える地元産品の取引が新規に行われております。

 このたび、イコモスからユネスコに、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産にふさわしいと勧告され、本年の夏に世界文化遺産登録となることが確実となりましたことは、これまで、地域の皆さまと一体となって準備してまいりました結果と、大変うれしく感じているところでございます。

 観光振興については、熊本地震に対応した復興策の実施や周遊ルートの充実に向け、うしぶか海彩館と﨑津ガイダンスセンターが「道の駅」として認定を受けました。また、﨑津集落においては世界遺産登録を見据えた環境整備などを中心に取り組んでまいりました。 

 同時に、「核となる交通網」の整備充実につきましても、天草エアラインの機体更新、第2天草瀬戸大橋の着工、熊本・天草間の幹線道路の整備促進、および市内30分構想に向けた道路整備を進めてまいりました。

 また、移住・定住につきましても、都市部でのPRや相談窓口に移住者を配置するなど、積極的に取り組みを進めた結果、平成26年度では、14世帯、30人の移住状況でしたが、平成27年度からの3年間で、148世帯、282人と大きく増加しております。

 

(3)きめ細かな生活支援

 次に、「きめ細かな生活支援」では、健康寿命都市日本一を目指して取り組んでまいりました。
 健康ポイント事業の実施など、健康づくりへの支援や特定健診および医療機関と連携した糖尿病の重症化予防対策の実施、そして、地域見守り活動の充実を図るため400を超える事業所からの協力も得ることができました。

 さらに、住民が主体となって運営される「通いの場」の拡大などによって、介護予防だけでなく、助け合いの場としても発展していることから、厚生労働大臣より自治体部門では最高位となる「健康寿命をのばそうアワード」を受賞し、評価していただいたところでございます。

 また、若い世代が安心して子どもを産み育てるための支援として、中学3年生までの子ども医療費の無料化や保育料の負担軽減、さらには、不妊治療費や新生児検査費の助成など本市独自の支援も開始してまいりました。

 この結果、第2次天草市総合計画における指標で「天草は子育てしやすい地域であると感じる市民の割合」は、平成26年度の時点で、51.6%だった数値が、平成29年度の結果では、前期基本計画の目標値60.3%を大きく上回る、65.4%という結果になっております。

 これまでの4年間で、これらの成果を得られましたのも、ひとえに市議会議員の皆さま、関係団体の皆さまならびに市民の皆さまのご支援とご協力のたまものであると心から感謝申し上げます。

 

4 財政状況

 それでは、本市の財政状況について、ご説明いたします。
 まず国の「平成30年度地方財政計画」では、地方公共団体の歳入歳出総額を前年度比0.3%増の86兆9,000億円とし、そのうち一般財源総額は、前年度を上回る62兆1千億円程度とされております。このことは、国全体の課題とされております、働き方改革や子ども・子育て支援等に適切に対応するとともに、地域の実情に応じ、自主性・主体性を最大限に発揮して地方創生等を推進することができるよう、必要な財源が確保されているところでございます。

 次に、本市の財政状況でございますが、普通交付税の段階的縮減により一般財源が減少していく厳しい状況の中で、財政健全化計画に掲げております「普通交付税の合併算定替期間終了後を見据えた柔軟かつ安定的な財政運営の確立」を最重要課題としております。

 このような中、私の1期目の4年間で、一般財源の縮減、後年度負担の軽減に努めてまいりました。まず、人件費につきましては、新規採用を平準化するとともに、必要な専門職の確保など、全体の年齢層等のバランスを勘案しながら定員管理を行うことで抑制を図り、公債費については、合併特例債や過疎債など交付税措置のある有利な地方債の活用を行うとともに、毎年度公債費の元金償還額を超えない範囲での市債借り入れを行い、将来の公債費負担に備えて減債基金を活用するなど、財政運営に留意してきたところでございます。 

 さて、本年度は「第2次天草市総合計画」前期基本計画の最終年度となりますが、計画された施策の着実な推進と、先の選挙で私がマニフェストに掲げた施策の一部を盛り込んで、平成30年度当初予算、6月補正予算の編成をいたしました。

 この結果、6月補正後の平成30年度一般会計予算額は、前年度当初予算と比較して、2.8%増の566億5,496万円とし、今議会に提案をいたしております。

 今年度は、天草市庁舎建設事業や防災行政無線整備事業、また、(仮称)天草市イルカセンター整備事業、天草市複合施設整備事業などに取り組むことにより、市債は、79億6,440万円となり、対前年度比16億6,300万円、26.4%の増となりましたが、いずれも将来に向かって、この時期に必要な投資と認識して予算計上をいたしております。

 今後も、事務事業の点検・検証をし、真に必要な事業の予算化を図り、国県の補助制度を活用し、また、合併特例債の発行期限が5年間延長されたことを受けて、原則、毎年度公債費の元金償還額を超えない範囲で市債を借り入れるなど、将来的に持続可能な行財政運営に取り組んでまいります。

 

5 平成30年度からの主な取り組み

 私は、本年3月の市長選挙に当たり、これまでの政策を評価・検証した上で、これまで進めてまいりました3本柱「強力な経済対策」、「きめ細かな生活支援」「市民目線の行財政改革」、に「魅力ある地域づくり」を加えました「4本の柱」を「明日への道しるべ」として、マニフェストに掲げさせていただきました。
 それでは、平成30年度からの主な取り組みにつきまして、4本の柱と天草市総合計画に沿って、順次ご説明申し上げます。
 

(1)強力な経済対策

 まず、1本目の柱「強力な経済対策」についてです。
 総合計画におきましては、「創造性豊かな産業のまちづくり」を主な方針として、「産業経済部門」で取り組んでおります。


①産業経済部門

 産業経済部門では、第1次産業全体で後継者や担い手の育成・確保に向け、昨年度から取り組んでおります給付金などの支援政策について、一定の期間継続し制度の普及促進を図ると共に、サポート体制の構築にも取り組んでまいります。

 さらに、地産地消の再構築と地産他消の取り組みを推進し、地域経済のさらなる好循環に向け進めてまいります。

(ア)農業の振興

 農業の振興については、産地の維持や多様な担い手を確保するため、集積した優良農地への集落営農型農業法人の立ち上げや農業参入企業の誘致、そして、親元就農、定年帰農者、若手農業者の就農定着について、継続した支援を行うとともに、新規就農サポートセンターの設立も視野に取り組みを進めてまいります。

 さらに、優良作物のブランド化や高収益となる新規作物の導入推進、農地基盤整備率を向上するとともに、里山再生で集落の活性化を図ります。

 特に里山再生については、農業被害対策としてイノシシ等を農地から引き離す「緩衝帯づくり」や「集落連携放牧モデル地区の拡大」などに取り組むとともに、今後は、これらの事業の連携も含めたさまざまな取り組みにチャレンジしながら評価・検証し、効果的な事業を創出してまいります。

(イ)林業の振興

 次に、林業の振興については、健全な森林の造成を推進しながら、間伐などを促進することで、林業資源の利活用を推進します。

 また、天草産材を利用した住宅の新築及び増改築に対する助成制度を継続し、「天草産材の積極的な利用」に取り組みます。

 このほか間伐材などを利用した製品の開発や販売、供給体制の構築を林業関連団体と連携して支援することで、天草産材の需要拡大による林業の活性化と関連産業の雇用促進を図ってまいります。

(ウ)水産業の振興

 次に、水産業の振興については、市外(域外)からの収益を増大させ、他の産業への影響力(波及効果)が大きいことから、生産量の維持拡大を図るため、稚魚放流などの資源管理事業や藻場造成を更に推進してまいります。また、事業の効果を高めるために、県、長崎大学、漁協及び漁業者と協力し事業強化を進めてまいります。 

 漁船漁業においては、従来の漁獲して水揚げする漁業形態に加え、ヒトエグサやマガキなどの養殖、加工、販売といった複合型漁業経営の推進を継続し、漁業経営の安定を図ります。

 水産資源の減少に対する対策では、「つくり育てる漁業」として、海藻類を含めた水産資源の維持回復のために、稚魚放流や有害生物駆除、つきいそ事業に継続して取り組み、漁場環境の保全(藻場再生)を図ります。 

 また、漁業所得の向上を図るため、漁協、長崎大学などと連携した水産物の付加価値向上やPR活動、学校給食をはじめとした魚食普及の推進を図るとともに、漁協や漁業者が話し合って策定された「浜の活力再生プラン」の具現化に向けた支援にも継続して取り組んでまいります。

 漁港整備については、漁業者の安全性、利便性向上のため、浮体式係船岸等の施設整備を進めるとともに、漁港関係施設の長寿命化を図るための現況調査及び機能診断を計画的に実施し、保全計画の策定を進めてまいります。

(エ)商工業の振興

 次に、商工業の振興については、「地元消費の促進」と「商店街の活性化」そして、「陶磁器の島としての産業振興」を継続して進めてまいります。

 また、働き手確保に向けた地元企業への支援策の創設について、関係機関と協議しながら進めてまいります。

 「地元消費の促進」では、引き続き住宅リフォーム助成制度を実施し、地元事業者の仕事づくりと市民の住環境改善の支援を行うとともに、商品券による地元消費と地元事業者の支援につなげてまいります。

 「商店街の活性化」については、「サテライトオフィスの誘致」やテレワーク事業の推進で、働く場として子育て世代等の人の流れをつくるとともに、新しい時代に適応した商店街とするべく、商店街の皆さまとのさらなる連携を深め、中心市街地のにぎわいの創出を目ざしてまいります。

 そして、陶磁器の島としての知名度向上や窯元の収益に効果を発揮している「天草大陶磁器展」をはじめ、年間を通した事業を展開し、天草陶磁器の素晴らしさを、さらに天草内外に広めるとともに、陶磁器の島を支える人材育成のための対策を行ってまいります。

(オ)地域産業連携・支援による雇用の創出

 次に、地域産業連携・支援による雇用の創出については、天草宝島物産公社の販路拡大による取引件数及び取扱い量について更なる増加を進め、生産者の所得向上と天草地域ブランドの推進を図ります。

 さらに、国の交付金を活用しながら、アマビズと天草宝島物産公社との連携を強化させ、中小企業事業者の所得向上、雇用の拡大につなげ、引き続き起業創業や企業誘致などで100社、300人の雇用創出に向けて取り組みます。

 また、新事業の展開に取り組む事業者や起業家の支援としての「天草市産業振興チャレンジ基金」や小規模事業者の持続的発展、販路開拓を後押しする「天草市版持続化補助金」は、制度の見直しを行いながら、本年も、継続してまいります。

 さらに、若者の地元就職を促進するため、商工団体などと連携し、中小企業合同説明会・就職相談会の充実や労働環境改善のための補助制度および奨学金返済に対する支援制度の創設を図ってまいります。

 企業誘致についても積極的に取り組み、若者が地元に残り働くことができる場を創造します。

 誘致を促進するため、廃校等遊休資産の有効利用、補助制度や優遇措置の見直しを行いながら、トップセールスで進めてまいります。

 雇用の創出に加え、天草への新たな人の流れをつくり、地元の企業や人材と連携したビジネス創出についても取り組んでまいります。

 

(2)きめ細かな生活支援

 次に、2本目の柱「きめ細かな生活支援」についてです。
 総合計画におきましては、「人が輝く活力あるまちづくり」の教育部門や「生き生きと暮らせ共に支えあうまちづくり」を主な方針として取り組んでおります。

①教育部門

 まず、「人が輝く活力あるまちづくり」の教育部門ですが、教育に求められるものは、人間が成長・発達し、心豊かな社会生活を営むうえで必要な能力を育成することであり、それは学校だけではなく、家庭や地域社会などあらゆる場や機会を通じて、生涯にわたって取り組むことが重要だと考えております。

(ア)学校教育の充実

 学校教育の充実については、学校、家庭、地域社会および行政が連携・協力しながら、子どもたちが安心・安全に学習できる環境づくりを行うとともに、確かな学力と豊かな人間性を持つ次世代の担い手を育むまちづくりを進めてまいります。

 また、学習意欲の向上や国際化社会を見据えた人材育成に向けて、現在整備を進めているICT機器を活用したよくわかる授業づくりや外国語教育・国際交流の充実に取り組んでまいります。

 さらに、「教育を支える環境づくり」を推進するために、本年度は市内公立幼稚園および中学校の各教室、来年度には小学校の各教室に空調設備の整備を行う計画としており、子どもたちが心地よく学習できるよう教育環境の改善を図ってまいります。

 「学校給食の充実」においては、地元の豊かな食材を活用した郷土料理や食の大切さを理解してもらうため、子どもたちに対する食育を推進します。このほか、食の安全と衛生管理を徹底するため、設備の適正な管理を行うとともに、児童生徒数の減少に対応するため、学校給食センターの統廃合を継続して推進してまいります。 

 また、老朽化している本渡学校給食センターの建設についても、今年度より、具体的な取り組みを進めてまいります。

 「本渡看護専門学校」においては、時代に即した教育環境の充実を図るための施設改修などを進めてまいります。

(イ)生涯学習の充実

 次に、生涯学習の充実については、市民一人ひとりが生涯を通じていつでも自由に学び、自分らしく生きがいを持った暮らしができ、さらに学習や活動の成果を社会に生かすことができる機会の充実に努めてまいります。

 また、将来を担う子どもたちの育成及び家庭や地域の教育力向上のため、新たに地域学校協働活動を推進するとともに、親の学び講座の開催など家庭教育の一層の推進に努めてまいります。

 図書館においては、子どもが楽しみながら読書に親しめるよう子どもの読書活動の推進を図るとともに、天草市複合施設の建設に伴い、より利用しやすい環境となるよう、図書館、図書室の管理運営にかかる方針を本年度決定し、利用者の利便性の向上に努めてまいります。 

(ウ)人権教育および人権啓発の推進

 次に、人権教育および人権啓発の推進については、すべての人々の人権が尊重され、自分らしく生きる社会を築くため、地域社会、家庭、学校などあらゆる場や機会を通じて、さまざまな問題に対する人権教育および人権啓発を推進してまいります。

(エ)大学との連携

 次に、大学等との連携については、包括協定を締結する県内外の大学と連携し、大学等の人的・知的資源を活用して人材育成を図るほか、地域の活性化や課題解決に向けて取り組みを進めてまいります。

(オ)国際化の推進

 次に、国際化の推進については、国際感覚豊かな人材を育成するため、姉妹都市エンシニタス市や韓国・忠清大学校及び京都大学を中心として、外国人との交流機会を提供するとともに、多様な文化が共生する社会の実現に向けて、来訪者や本市に暮らす外国人への支援拡充のため、多言語案内ツールの作成や相談窓口の開設など、「多文化共生」のまちづくりに取り組んでまいります。

②保健・医療・福祉部門

 次に、「生き生きと暮らせ共に支えあうまちづくり」の保健・医療・福祉部門においては、全ての市民が、いつまでも健康で生き生きと暮らすことができるように、市民一人ひとりが、働く世代から健康の大切さを認識し、日頃から主体的に健康づくりに取り組むとともに、身近な地域でいつでも安心して医療サービスが受けられる環境づくりを目指します。

 また、住民どうしがお互いに見守り、支え合いながら、住み慣れた地域で安心して生活できるような体制づくりを継続して進めてまいります。 

 高齢者や障がいのある人に対しては、社会参加などを支援し、いつまでも生きがいを持って安心して暮らしていける環境づくりを進め、妊産婦や子育て世代に対しては、ニーズに対応した子育て支援の充実を図り、地域全体で子育てを支え合う環境づくりを進めます。 

(ア)健康づくりの推進、高齢者福祉の充実

 まず、健康づくりの推進については、「日本一の健康寿命都市」を目指して、ライフステージ・健康レベルに応じた健康寿命の延伸に向けた取組みを進めてまいります。

 総合計画の指標である「市民が地域で生き生きと暮らしていること」では、健康ポイント事業をはじめとする施策および事業を継続し、健康管理システムを活用しながら生活習慣病等の発症や重症化の予防に向けた取り組みや成人健診などの若年層の受診率向上への取り組みを強化するとともに、健康増進に対する市民自らの取り組みを促進します。

(イ)地域医療の充実

 次に、地域医療の充実については、医療現場を支える体制づくりとして、民間医療機関、公的病院、市立病院が連携して環境づくりを進めるとともに、介護保険制度、国民健康保険制度の収入の確保および介護給付費・医療費の適正化により安定的な運営を目指します。

 また、医師および看護師等の確保対策については、先日協定の締結を行い、天草郡市医師会と協力して取り組むこととしており、「あまくさメディカルネット」の普及推進についても医師会と協力して進め、身近な地域で安心して医療サービスが受けられる環境づくりを進めてまいります。 

(ウ)地域支援の充実

 次に、地域支援の充実については、地域住民やボランティア団体の活動推進に取り組み、若い世代の方々の参加拡大を図りながら、地域福祉ネットワーク事業などの地域支え合い活動の推進・充実を図ります。

 また、行政、家庭、地域、職場などが協力して支援する仕組みづくりや意識啓発などを図り、住民が抱える多様かつ複合的な生活課題に関する相談を「丸ごと」受け止め、関係機関が相互に連携し、解決を図る包括的な支援体制の構築に取組みます。

 次に、高齢者福祉の充実については、高齢者が地域で互いに支え合いながら、いつまでも元気に過ごせる環境を整備します。

 認知症予防や地域による介護予防活動への住民の積極的な参加を図るため、「ふれあいいきいきサロン」や「通いの場」など、住民主体の活動に対する支援の継続および担い手育成を行ってまいります。 

 また、認知症に優しいまちづくりを推進するために、認知症サポーター養成、「認知症カフェ」などの開設や活動の拡大を支援してまいります。

 さらに、老人クラブやシルバー人材センターへの支援を継続することで、生きがいづくり及び社会参加を推進してまいります。

(エ)障がい者福祉の充実

 次に、障がい者福祉の充実については、障がい者福祉に関する制度および活動状況について、市民全体への情報発信を強化するとともに、関係機関によるサービス提供や相談体制の充実を図ります。事業所の少ない地域におけるサービス提供量の拡大を図ることで、社会参加を促進できる環境の整備や、身近な地域でサービスが利用できるよう支援してまいります。                                                           

 さらに障がい児への支援として、児童発達支援センターを中心とした相談支援体制の充実を図ります。

(オ)子ども・子育て支援の充実

 次に、子ども・子育て支援の充実については、引き続き、「質の高い教育及び保育をどこでも受けられるまち」、「子どもが心身ともに健康で、安心して暮らせるまち」、「みんなで子育てに協力するまち」の構築をめざして、取り組んでまいります。

 また、公立保育所については、民間保育所の多様な保育サービスの提供や保育環境の整備等を行うため、引き続き、民営化を進めてまいります。 

 さらに、先駆的に取り組んでまいりました保育料軽減や子ども医療費助成事業などによる保護者負担軽減を継続するとともに、今年度から、妊娠期から出産後の心身のケアや支援を、ワンストップで行う支援センターの開設を目指し、「妊娠・出産包括支援事業」に取り組みます。

 さらに、子ども医療費の無料化につきましては、対象者を高校3年生まで拡大することについて、財源の確保を含め実現に向けた検討を進めてまいります。

 

(3)魅力ある地域づくり

 次に、人口減少が進行する中、天草の豊かな自然や魅力ある地域資源を生かし、移住定住などにより地域に人を呼び込むことを目的に、新たに加えました3本目の柱「魅力ある地域づくり」についてです。
 総合計画におきましては、「歴史と文化の薫り高い魅力あふれる観光のまちづくり」や「人が輝く活力あるまちづくり」、そして、「環境と共生した安心・安全なまちづくり」と「暮らしやすい機能的なまちづくり」を主な方針として取り組んでおります。

①観光・文化部門

 まず、「歴史と文化の薫り高い魅力あふれる観光のまちづくり」の観光文化部門では、雲仙天草国立公園に代表される豊かな自然景観や、野生のミナミハンドウイルカを間近に見ることができるイルカウォッチング、特色ある農林水産資源を生かした食文化、人情味あふれる“おもてなし”などの観光資源に加え、﨑津集落や天草ジオパークを最大限に活用して、戦略的に取り組んでまいります。

(ア)観光の振興(ジオパークの推進および観光文化施設の充実を含む)

 まず、観光の振興については、これまで、強力に推進してまいりました「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されることが、確実となりましたことを契機に、観光客のデータ分析に基づいた戦略的な観光アクションプランの見直しを行います。

 市内の周遊を推進する観光拠点については、道の駅登録を見据えた施設整備を推進するとともに、﨑津集落の観光客を市内観光拠点へ周遊させる仕組みとして、キリシタン関連施設を巡るプランや下田温泉、イルカウォッチングとのセットプランなどモデルルートの提案を行い、観光客の滞在時間の延長を図り、リピーターの確保とあわせて稼げる観光地づくりを目指します。

 そのため、五和地域に「(仮称)天草市イルカセンター」を整備いたします。 

 天草地域には、雲仙天草国立公園に代表される天草西海岸の自然環境や国民保養温泉地に認定されている「下田温泉」に「下田温泉ふれあい館ぷらっと」が整備されており、周辺地域の観光トイレ改修などにも取り組んでおります。

 牛深地域におきましては、牛深港周辺を「交流や海洋文化の拠点」として整備するため、老朽化した公共施設の複合施設化を含め、基本構想の策定に取り組んでまいります。

 また、本渡・牛深間におきまして、交通網の中間地点として、旧宮地岳小学校の廃校舎などを活用し、「かかしの里」として、地域と一体となって、観光および交流拠点として整備を進めてまいります。

 御所浦地域におきましては、離島の主な玄関口であり、「天草ジオパーク」を推進する観光・文化拠点として、御所浦白亜紀資料館のリニューアルにつきまして、基本計画の策定に取り組んでまいります。

 有明地域におきましては、観光及び交流の拠点である「道の駅」「リップルランド」の充実と安定した経営への支援およびフットパスを活用した交流人口の拡大に取り組んでまいります。

 新和地域、栖本地域、倉岳地域におきましては、観光、文化、交流、体験拠点としての整備方針につきまして、観光戦略を再構築する中で、新和緑の村や温泉施設、棚底城跡などの各資源の利活用を含めて、構想を策定してまいります。

 このように、天草の自然、景観、歴史や文化等の地域資源を最大限に生かした魅力ある観光地として発展するよう、世界文化遺産候補「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を核として、また、マーケティングおよびマネジメントを強化してまいります。

 また、本市の観光振興を担う中核的な組織である「天草宝島観光協会」とは、今後も行政支援のあり方および行政との役割分担や事業内容を見直すとともに、旅行商品の造成・販売など、自主財源の確保を促しながら、より効率的で効果的な観光事業が推進されるよう連携および支援してまいります。

(イ)文化の振興

 次に、文化の振興については、歴史文化遺産、伝統文化などを大切にし、市民の郷土愛やコミュニティ意識を醸成していくため、市民と行政が一体となって、これらの貴重な資源の保存・継承・活用を図ってまいります。

 特に、本市で初めて、国指定の史跡として認定された棚底城跡についても重点的に保全、活用などに取り組んでまいります。

 また、子どもたちの豊かな心や感性、創造性を育むため、郷土出身の音楽家を招聘してのコンサートや陶芸教室をはじめとする郷土学習等、伝統文化に触れる機会の充実に取り組みます。

 さらに、市民シアター事業や市民ギャラリーのほか、文化施設での芸術文化の鑑賞機会を提供するとともに、芸術文化振興のため、全国的に数少ない価値のある「フィルム映画館」の安定的な保存活用にも取り組んでまいります。

(ウ)世界遺産の推進から保全へ

 次に、世界文化遺産の登録後においては、「普遍的価値の保存と継承」に取り組む必要があります。

 このため、世界遺産登録の推薦書へ付属資料として提出しております「包括的保存管理計画」を確実に実施してまいります。

②地域振興部門

 次に、「人が輝く活力あるまちづくり」の地域振興部門では、協働や男女共同参画社会の推進による活力あるまちづくりを推進するとともに、ライフスタイルに応じたスポーツ環境の充実や「移住・定住」の促進に取り組んでまいります。

(ア)地域コミュニティ活動の推進、市民活動の推進

 まず、地域コミュニティ活動の推進については、次世代を担うリーダーの育成と市民力の向上を支援してまいります。

 また、その力を地域で発揮できる仕組みをつくることで、一人ひとりが輝き活動することができ、住み慣れた地域で生き生きと暮らすことができる地域社会の実現を目指して取り組んでまいります。

 次に、本年度は、本市の地域別計画に位置付けております「市内10地域のまちづくり計画」の見直しを図るため、新たな4ヶ年計画の策定に向け取り組んでまいります。

 また、まちづくり協議会や地区振興会活動については、その充実が図られるよう、継続して「まちづくり推進交付金」や「まちづくりチャレンジ支援交付金」制度について、活用促進を行うとともに、「地域おこし協力隊員」による地域活動の支援も図ってまいります。

 さらに、まちづくり活動の拠点であるコミュニティセンターについては、全てのセンターが指定管理者制度により運営されており、地域による自主的な管理運営を進めるとともに、改築については、「天草市地区コミュニティセンター改築に関する基準」や地域の情勢などを踏まえ計画的に進めてまいります。

 次に、市民活動の推進については、NPOをはじめとする市民活動団体が、各々の得意分野において地域課題の解決に向け活躍されています。

 これらの活動が継続され発展することは、「人が輝く活力あるまちづくり」につながってまいりますので、自助・共助・公助を基本としながら協働によるまちづくりを推進します。

(イ)スポーツの推進

 次に、スポーツの推進については、全ての市民がライフスタイルに応じて、運動やスポーツに親しめるスポーツ環境の充実を図り、併せてスポーツ大会や合宿誘致を積極的に行い、地域経済の活性化や交流人口の拡大につなげてまいります。

 また、小学校運動部活動の社会体育移行に伴う子どもたちの新たなスポーツ環境に対応するため、受け皿となるスポーツクラブ指導者の資質の向上や、全国レベルで活躍できる優れた選手を育成・支援する取り組みを推進してまいります。

 このほか老朽化が進む社会体育施設については、安心・安全な環境を維持するため、計画的な改修を進めるとともに、多様化するスポーツニーズに対応するためのより良い施設環境づくりについては、「天草市スポーツ拠点施設整備基本計画」に基づき進めてまいります。

(ウ)男女共同参画社会の推進

 次に、男女共同参画社会の推進については、地域、学校、職場や家庭において男女共同参画が実践されるよう、男女共同参画センター「ぽぽらす」を拠点とし、民間の推進団体などとも連携して啓発活動を行ってまいります。

 さらに、啓発活動やワークライフバランスの推進を行う各種事業の中で、自分磨きやパートナーとの出会いの場を提供する「出会い応縁事業」にも継続して取り組んでまいります。 

(エ)移住・定住の促進

 次に、移住・定住の促進については、天草の豊かな自然や魅力ある地域資源を生かし、これまでの取り組みによって得た経験や情報を基に、住まい・暮らし・仕事など多様化したニーズに対応した、UJIターンを促進し、地域に新たな活力を生み出す移住・定住政策に取り組みます。

 特に、成果が表れている、「移住相談会」や「あまくさ移住フェア」については、移住定住コーディネータと連携して積極的に開催するとともに、「空き家活用事業補助金」や「定住促進奨励金」などの支援制度も継続して実施してまいります。

 また、社会情勢の変化やニーズに対応した施策を推進していくため「天草市移住・定住促進計画」を策定するとともに、昨年度、譲渡を受けた移住促進施設の有効活用並びに、ファミリー層に向けた旧教職員住宅等の活用を図ってまいります。

 さらに、地域と継続的なつながりを持つ「関係人口の創出」に向けた新たな取り組みを開始するなど、移住・定住政策を充実させ、4年間で400人以上の移住者を迎えることができるよう取り組んでまいります。

(オ)公共交通体系の整備

 次に、公共交通体系の整備については、これまでに実施してまいりました実証実験や交通不便地域における各家庭の聞き取り調査、そして、アンケート調査やモニタリング調査結果などから、人口減少が進む中、地域の活力を維持・強化していくためには、バス・タクシー・船など多様な公共交通機関の連携により、地域の拠点を効果的に結ぶ、持続可能な公共交通網を形成していくことが必要であると分析し、平成30年3月に「天草市地域公共交通網形成計画」を策定しました。

 今後は、多様な公共交通機関の連携による効率的、効果的な公共交通網を整備すると共に、広域拠点、地域拠点、生活拠点の位置づけによる、拠点内や拠点間の移動を、ニーズに応じた公共交通で確保し、まちづくりと連携した公共交通網を形成します。

 また、観光拠点の整備に合わせた公共交通によるアクセスの改善を図るとともに、公共交通の持続性を高めるため、「みんなで支える公共交通」を方針に、官民連携した利用促進に取り組んでまいります。

 「御所浦地域」については、架橋事業の長期化に伴う島民の皆さまの移動にかかる経費の負担軽減策など、御所浦地域振興策の継続を強力に県に要望してまいります。

 「本市と他県を結ぶフェリー航路」や「本市唯一の高速交通機関である天草エアライン」については、観光振興や地域振興そして、通勤する医師等の交通手段などの医療対策として、なくてはならない重要な交通網であることから、利用促進と維持について、継続した支援を行ってまいります。 

③生活環境・防犯防災部門

 次に、「環境と共生した安心・安全なまちづくり」の生活環境・防犯防災部門では、天草の美しい自然環境の保全やCO2の削減、そして「暮らしやすさ」を実感できる社会環境づくりに向けて、市民の皆さまとともに取り組んでまいります。

(ア)自然環境の保全と活用

 まず、自然環境の保全と活用については、地域での環境学習会の実施や、自ら行動する環境にやさしいまちづくりに取り組んでまいります。

 また、住宅用太陽光発電システム設置や蓄電システム設置に対する支援を継続し、地球温暖化防止のため、さらなる普及促進を図ります。

(イ)快適な生活環境の保全と向上

 次に、快適な生活環境の保全と向上については、ゴミの減量化や資源化の推進に力を入れ、循環型社会の実現に向けて取り組みます。 

 また、ゴミの減量化や資源化の徹底を進めることで、今後、進めてまいります「新ゴミ処理施設整備」に係る事業費の削減および後年負担の軽減につなげてまいります。

 このためにも、早期の取り組みが必要となりますので、環境美化推進員との連携により、老人会、婦人会、子ども会など、各種団体による運動の展開や事業所ゴミの分別の徹底などを図ってまいります。

 また、老朽化が課題となっております「牛深火葬場」の更新につきましては、建設予定地にかかる地域の方々のご理解を得ることができましたので、牛深、河浦などが利用圏内となる「新火葬場」の用地取得や設計などの事業に着手し、平成32年度内の完成を目標に進めてまいります。 

(ウ)災害に強いまちの形成

 次に、災害に強いまちの形成については、地域の意見や一斉避難訓練の結果を踏まえ、地域防災計画の見直しを行うとともに、災害への備えを充実させることで安心した生活を確保できるよう取り組んでまいります。

 また、地域ごとの実情に応じた実践的な訓練や小中学校における地域防災や防災教育の実施により、「地域の防災体制の強化」と「防災意識の高揚」を図るとともに、防災士の育成に取り組みます。

 さらに、防災行政無線の屋外設備が完成し、市内を一括管理することができるようになりましたが、全世帯に戸別受信機を設置することで、迅速かつ確実な災害予報、情報伝達の強化を進めてまいります。

(エ)消防・救助・救急体制の整備

 次に、消防・救助・救急体制の整備については、引き続き、若者や女性に重点を置きながら消防団員の確保に取り組んでまいります。

 また、団員が活動しやすい環境の整備や、初期消火に必要な消防施設の整備も進めてまいります。

 さらに、天草広域連合消防本部を中心として、医療機関や関係機関と連携した緊急・救急出動体制の充実強化や、老朽化した消防署や分署の整備を図ってまいります。

(オ)防犯対策・交通安全の推進

 次に、防犯対策・交通安全の推進についてですが、本市における「犯罪認知件数」「交通事故発生件数」は、共に減少傾向にあります。

 これは、防犯協会や自主防犯組織、そして下校時などの防犯パトロール活動など、市民の皆さまの継続した活動の成果によるものであります。

 引き続き、天草・牛深の両警察署や関係機関と連携し、市民の皆さまの交通安全や防犯に対する意識の啓発を図るとともに、自主防犯組織の活動を支援してまいります。

(カ)消費生活の支援

 次に、消費生活の支援については、これまで、複雑多様化する消費者トラブルを解消するため、消費生活センターの開設時間を延長するなどの取り組みを行った結果、相談件数は増加し、被害は減少する傾向となっております。

 しかし、年々、巧妙化する悪質商法などに対応するため、消費生活センターにおける相談体制の維持と共に、消費者自らが必要な知識や情報を得られる様に啓発活動を実施するとともに、犯罪や悪質な行為の被害を受けやすい高齢者や児童・生徒、障がいのある人などを地域全体で見守り、問題の予防・対策を継続して進めてまいります。

④都市基盤整備部門

 次に、「暮らしやすい機能的なまちづくり」の都市基盤整備部門では、景観形成や拠点とネットワークを支えるための機能的な社会基盤づくりを進めております。

(ア)良好なまちなみの形成

 まず、良好なまちなみの形成については、天草の豊かな自然や歴史・文化などの地域特性に配慮して公園などの都市施設を活用しつつ、土地利用の規制・誘導を的確に行いながら、良好なまちなみ景観を形成します。

 また、都市計画道路「太田町水の平線」につきましては、本年度から本格的に用地取得に着手してまいります。

(イ)住宅等の整備

 次に、住宅等の整備については、市営住宅では、高齢者等にも安心で快適な住空間を長きにわたって提供するため、「安全性の確保」、「居住性の向上」、「福祉対応」などを目的に、計画的な改修等を継続実施してまいります。

 また、引き続き、指定管理者と連携を図りながら適正な管理に努めてまいります。

 民間住宅では、住宅の耐震化を促進するため、耐震性が不明な木造住宅の耐震診断費の一部助成や、耐震性の低い住宅の耐震改修費の一部助成を継続してまいります。

 また、今後、増加が見込まれる空き家や老朽危険家屋の対策を強化し、市民が安心・安全に住み続けることができる住環境の整備を進めてまいります。

(ウ)上下水道の整備

 次に、上下水道の整備については、計画どおりに、水道の有収率の向上や汚水処理人口普及率向上の取組みを推進しております。

 今後も、将来にわたって安心安全な水の安定供給と、環境保全のための汚水処理機能を確保するために、経営の安定化を図りながら、計画的に施設を更新するとともに、長寿命化計画による適正な維持管理に努めてまいります。

 「水道事業」においては、災害にも強い機能的なまちづくりのため、耐震型の水道管を敷設する更新事業を継続的に進め、有収率の向上に取り組んでまいります。

 また、水道供給が困難な地域につきましては、「小規模水道施設補助金」の継続により「暮らしの水」の確保を図ってまいります。

 次に、「下水道事業」では、処理区域内における末端の未整備区域の解消に加え、老朽化した施設については、継続して、「長寿命化対策事業」に取り組んでまいります。

(エ)機能的な交通基盤の整備

 次に、機能的な交通基盤の整備については、「熊本天草幹線道路」の一部区間である「第2天草瀬戸大橋」を含む「本渡道路」の早期完成に向け、事業主体である県への職員派遣による協力体制の強化を継続するとともに、国や県との強力なパイプを活かし、早期完成に向け、全力で推進してまいります。

 特に、工事着工いたしました「第2天草瀬戸大橋」につきましては、平成35年3月の開通を目指してまいります。

 さらに、開通を見据えた、本渡港エリアから市街地にかけての整備構想につきましては、県の「港湾計画」の方向性などと調整を図りながら立案してまいります。

 また、「島原・天草・長島連絡道路」の実現のため、架橋建設に係る調査の再開および予算確保、特に、三県で合意を得ている天草・長島架橋建設を優先的に進めることにも、県や関係団体とともに強力に国への要望活動を展開してまいります。

 さらに、地域拠点のアクセス向上を図る「市内生活圏域30分構想」の実現に向け、国道389号線、下田南工区改良工事の早期完成や、国県道の登坂車線の整備促進を進めるとともに、通学路などの交通安全施設を充実させ、また、港湾等基盤施設の計画的な維持補修を行うことで、機能的かつ安心安全な交通網の形成を目指してまいります。

(オ)情報化の推進

 次に、情報化の推進については、急速に進化する情報化社会の中で、有効的な情報発信の体制を強化してまいります。

 また、新たに発生した地域間の情報格差について、技術革新の状況を見ながら最も適した整備についての計画を策定いたします。

 さらに、新たな地域情報の発信源として開局した「天草市コミュニティエフエム局 みつばちラジオ」で、公設民営による情報発信の効果が表れています。地域に密着した情報を発信することにより、地域コミュニティの活性化を図るとともに、防災の補完的役割を果たすことを目的としておりますので、九州総合通信局の許可を得ながら、段階的に難聴対策を進めてまいります。

 

(4)市民目線の行財政改革

 次に、4本目の柱「市民目線の行財政改革」についてです。

 総合計画におきましては、「持続可能な行政経営ができるまちづくり」を主な方針として取り組んでおります。

①総務・企画部門

(ア)     財政基盤・経営力の強化

 まず、財政基盤・経営力の強化については、「第2次天草市総合計画」で掲げた「市債残高」や「実質公債費比率」の減少目標を早期に達成いたしました。

 しかし、今後生産年齢人口の減少や高齢化率の上昇、普通交付税の合併算定替期間終了、公共施設等の老朽化など、本市の財政や行政需要に大きく影響を与えることが予想されることから、持続可能な形で行財政運営を維持するため、必要な財源の確保と、選択と集中による事業の実施に引き続き取り組みます。

 市有財産については、「公共施設等総合管理計画」に基づき、市民の安全性、利便性を考慮しながら、真に必要な財産のみを保有することとし、保有総量の縮小、効果的かつ効率的な利用の推進、長寿命化の推進を基本に、全庁的な共通認識として、市有財産の適正な管理・利活用を推進します。

 また、本年度より、旧本渡中学校跡地に、天草市複合施設の建設着工を計画いたしております。

 老朽化した中央図書館、男女共同参画センター、勤労青少年ホーム、本渡地区公民館と中央保健福祉センターを複合化することで、市民の皆さまの利便性の向上を図るとともに、共用スペースを確保し、それぞれ単独で整備した場合より、床面積を縮小し、建設および維持管理コストの削減を図ります。

 なお、完成後は、中央保健福祉センターは売却を含めて検討し、その他の施設については解体を含めて検討してまいります。

(イ)組織力・職員力の強化

 次に、組織力・職員力の向上については、今後も「行政を経営する」という視点に立って、限られた経営資源(人、物、金、情報)を有効に活用し、効率的・効果的な行政サービスの提供に取り組みます。

 職員数が減少する中、市民ニーズや新たな行政課題に的確かつ迅速に対応するため、横断的・弾力的な連携を推進し、社会情勢に応じた効率的・効果的な組織の見直しを行っていきます。

 さらに、必要な行政サービスを維持するため、適正な人員配置に努めるとともに、質の高い行政サービスを提供するため、専門的な能力や知識を備えた職員の育成に取り組み、職員資質の向上を図ります。

 また、地域の均衡ある発展を目指し、引き続き、支所で解決できる市民の身近な問題、要望などについては、迅速かつ確実に対応できるよう、支所ごとに重点事業を決定することとします。

(ウ)協働によるまちづくりの推進

 次に、協働によるまちづくりの推進については、多様化・複雑化する市民ニーズに対して、より質の高い行政サービスを安定して提供していくためには、行政単独の力だけでは限界があります。そのため、市民にとって必要な情報を正確に分かりやすく発信し市民と情報を共有するとともに、市民が市政に関心を持ち積極的にまちづくりに参画できる体制を整備し、地域団体、市民活動団体、企業など多様な担い手との協働によるまちづくりを推進します。

 

6 おわりに

 以上、2期目に取り組む主な施策の概要につきまして、申し上げてまいりましたが、これらのほかにも多岐の分野にわたり課題が残されています。

 また、社会情勢の変化によって、新たな課題が出てまいります。

 本年度は、第2次天草市総合計画の後期基本計画を策定する年度となっておりますので、継続すべきものは継続し、変えるべきものは変えていき、本市の未来を見据えた政策を組み立ててまいります。

 また、市民の満足度を高める質の高い行政サービスを提供するため、「ゼロベース」での事業の見直しを行い、市民ニーズに対応した事業の実施と事務事業の再構築を行ってまいります。

 さらに、経営的視点に立った行政運営を行うため、総合計画を核とした自治体経営のトータル・システム化を今後も推進し、PDCAサイクルのもとに進めてまいります。

 先日、世界遺産候補である「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が、イコモスから世界文化遺産への登録が妥当との勧告がなされ、約1ヶ月後には念願の世界遺産への登録が確実なものとなりました。

 また、熊本天草幹線道路においては、第2天草瀬戸大橋建設工事の着手、「三角大矢野道路」の開通など、良い流れがつづいております。

 今後もこの流れを止めるわけにはいきません。

 市民の皆さまの声を私が先頭に立ってお聞きし、スピード感を持った「決断」と「実行力」のもと、「更なる飛躍」を目指し、「働ける場がある」「安心して産み育てられる」「心豊かに暮らせる」天草市の創造に向け、誠心誠意努力していく決意であります。

 今後とも、議員の皆さま並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りますよう心からお願いを申し上げまして、私の施政方針といたします。

 ご清聴ありがとうございました。

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