皆様こんにちは。 天草市病院事業部より、天草市立4病院(牛深市民病院、河浦病院、新和病院、栖本病院)ならびに御所浦診療所の最近の概況をご報告いたします。
【地域医療構想の中で】 来るべき人口減少・高齢化社会の中で適正な医療提供体制はどうあるべきか、国が推し進めている「地域医療構想」の中で公立病院も変容していかなければなりません。 人口減少は進んではいますが、天草市立病院としては4病院の集約化等の統合再編は行わず、4病院の合計病床数357床のうち人口減に見合わせた99床(28%)を削減し計258床とした上で、4病院の機能分担、相互連携を緊密にとることとします。なお、病床削減しても診療機能は従来通りで、機能が低下することはありません。 まず牛深市民病院は、下島南部の拠点病院として小規模ながらも急性期医療の維持を図ります。 河浦病院は、牛深市民病院との機能分担を図り回復期慢性期医療中心の体制とします。熊本大学との連携で「家庭医療センター」を設置し、住民の方々の健康のために地域を「まるごと診る」医療に取り組んで行き、併せて熊本大学の総合診療医の教育拠点「熊本大学病院地域医療・総合診療実践学寄附講座河浦教育拠点」として人材育成も行ってまいります。また熊本県から指定を受けた「在宅医療サポートセンター」による在宅医療提供体制の充実を図り、広く下島南部地域の医療・福祉・介護の連携の充実を図ります。また、天草地区の医療体制が手薄になったことから、2021年9月から高浜巡回診療所を開設し、河浦病院より診療班を送っています。 新和病院は、在宅復帰支援を視野に、地域における医療と介護・生活支援等との連携で総体的な地域包括ケアシステムの構築を図ります。 栖本病院は、「熊本県結核対策プラン」で結核治療機関として位置づけられています。結核病床は実績に応じて減少させますが機能は維持し、また、一般診療体制は他に代替する医療機関がないことからそのまま維持します。 いずれの病院におきましても引き続き救急告示病院の体制は維持し、また、新型コロナ感染症のような新興感染症対応も引き続き行ってまいります。 これらの天草市立4病院の方向性につきましては、2019年12月の第8回天草地域医療構想調整会議にて「合意」がなされています。また、病床削減案は2021年3月の天草市議会本会議にて承認決議が行われ、2021年4月より施行されております。
【新型コロナ感染症対応について】 2020年初頭より始まった新型コロナ感染症は止まるところを知らず、いまだにその流行は持続しています。天草市立4病院においても、中小病院ながら牛深市民病院、河浦病院、栖本病院が県から重点医療機関に指定され、また新和病院は後方支援病院として活動しています。2021年9月の第5波までに、4病院で計84名の患者さんを入院加療いたしました。外来でのPCR検査等も多数に上っていますが、今後とも地域の安全を守るためにこの活動を続けます。
【新御所浦診療所の竣工について】 御所浦診療所は御所浦歯科診療所とともに老朽化が進んでいましたが、このたび医科、歯科を併設した新しい「国民健康保険天草市立御所浦診療所」として2021年11月末に竣工しました。2022年1月4日より診療開始いたしております。御所浦北診療所とともに地域の方々の診療に寄与してまいります。 施設内には、研修センターとして研修医等の宿舎、研修室を設けておりますので、各関係機関からの研修医、研修生を積極的に受入れ、人材の育成に資するとともに将来の医師確保に繋げてまいりたいと考えています。
今後とも、地域の皆様に必要とされ信頼される病院づくりに職員一丸となって努めてまいります。天草市立病院の運営に一層のご協力をお願い申し上げます。
天草市病院事業管理者 竹中 賢治 (2022年1月20日 記) |