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試合当日の栄養補給計画と女子アスリートの成長を支える栄養戦略を学びました

最終更新日:

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 3月21日(土曜日)、天草市複合施設ここらすで、中学高校生アスリートや指導者、保護者を対象に、試合当日の栄養補給計画の作成や女子アスリートの成長とパフォーマンス向上をテーマとしたスポーツ栄養学講習会を開催しました。

 この講習会は天草市スポーツコミッションが主催したもので、講師には九州産業大学准教授の長島未央子さんをお招きして実施しました。長島さんは、天草市出身で、管理栄養士・公認スポーツ栄養士としてプロスポーツ選手の栄養管理や相談など多方面で活躍されています。

 講義は2部構成で実施され、参加者は第1部 37人、第2部 70人の計107人、内容については次のとおりでした。

【第1部】成長期女子アスリートの身体を守りながら強くする栄養戦略

 女子アスリートが抱えやすい課題としてダイエットなどによるエネルギー不足が原因で、身体が省エネモードに陥ることを例に挙げ、女子選手の身体の変化や競技特性を踏まえた実践的な内容が紹介されました。

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    九州産業大学 長島未央子准教授

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    月経の周期をうまく利用しましょう


女子選手の身体は「エネルギー不足」に敏感

 指導者は「持久力が落ちた」「眠い・寝れない」「頭痛」「やる気・集中力の低下」「イライラ」など選手が発しているサインを見逃さないで欲しい。

 スポーツをしている女性に必要なエネルギーが不足すると、脳が生命維持を優先し、「体温を下げる」「月経を止める」「骨の成長を止める」といった反応が起こります。その結果、パフォーマンス低下、月経トラブル、貧血、睡眠障害、メンタル不調、成長発達の遅れ など、競技にも健康にも大きな影響が出てしまいます。

骨密度の回復には「時間」と「毎日の積み上げ」が必要

 骨の回復には長い時間がかかるため、日々の食事が最も重要です。

 長島さんは、女子サッカー選手は特に糖質不足が多いことを指摘され、「身体の成長をビル建設に例えると、コンクリートが骨を作るカルシウムで、作業を進める作業員が炭水化物」と例をあげ、米をしっかり食べることが大切と強調されました。「骨を回復させるには、摂取エネルギーを20〜30%増やし、7〜10日で0.5kgの体重増加を目指す」など具体的な目標も示されました。

月経周期を“味方”にする

 月経は妊娠しやすい身体にするため1月単位でホルモン分泌が変化します。この影響をネガティブに捉えられがちですが、周期を理解すればトレーニングの質を高めることができます。

■排卵に向かう半月間  代謝が上がる、高強度トレーニングが行いやすい。

■排卵後の半月間  体温上昇、むくみ・便秘・食欲増加、貧血リスクが高まる、過度な負荷や無理なカロリー制限は禁物。

 貧血への対策としてヘモグロビン・鉄・フェリチンの量の定期的チェックが有効。(日本陸上競技連盟では年3~4回のチェックを推奨)

 長島さんは、「指導者は、選手一人ひとりの周期や体調が違うことを理解してほしい」と話され、個人差の重要性を強調されました。


【第2部】試合当日の「何をいつ食べるか」補食計画づくり

 試合当日の食事計画を自分で立てられるようになることを目的に、具体的な方法が紹介されました。

 講習を聞いた後、参加した選手や保護者、指導者の皆さんは、各自の競技特性に応じた補食計画を作成し、次の試合で試してみることを目標に取り組みました。

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    食事内容と摂るタイミングを紹介

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    栄養補給計画にアドバイスする長島さん

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    作ってみた栄養補給計画書


 主な内容は次のとおりです。

試合当日は“特別な日”ではない

 普段の食事が最も大切で、試合の日だけ頑張っても効果は出ません。プロのスポーツ選手でも「まずは2口増やすことから始める」など、日常の積み重ねを基本とされています。

試合時間を目掛けて消化時間から逆算

 食べ物は種類によって消化時間が異なります。(糖質は1.5~3時間、タンパク質は3~4時間、脂質は5~6時間が目安)

 試合の3〜4時間前の朝食には、タンパク質をしっかり入れることがポイント。

例として「ツナ・鮭・ハムなどが入ったおにぎり」「卵料理」「納豆」「乳製品」などを挙げられました。

※緊張で消化機能が落ちることがあるため、食物繊維の多い食品は避けたい。

試合間の補食は「糖質中心」

 試合間は、吸収が早い糖質を中心とした補食が有効になります。

 1時間以内:ゼリー、チョコ、黒砂糖、スポーツドリンク

 1〜3時間:和菓子(羊羹・カステラ)、おにぎり

必要な糖質量の計算方法

 1日に必要は糖質量は次の式で求められます。

 体重1kg当たりの糖質の必要量=4g

例)体重50kgの人がごはん茶碗で何杯食べる必要があるか計算すると

 体重50kg×4g=糖質200g 

 ごはん茶碗1杯の糖質70g(ごはん200gで計算)

 200g÷70g=2.8杯

 一度に食べられないので、数回に分けて摂取します。

脚がつるのはいろんな要因が重なっている

 脚がつるのは、脱水や電解質不足だけでなく、神経系のコントロールなど複数の要因が重なって起こります。

 長島さんは、選手の脚がつった時に、「運動中のいつ発生したか」「前夜はどのくらい寝たか」「朝食は食べたか」「水はどのくらい飲んだか」など指導者に確認をしてほしいと言います。

 また、「試合前の朝食で塩分を摂ること。味噌汁は最高の一杯」と話されました。

今後実践してほしいこと

 女子アスリートを含むすべてのスポーツを行う人は、自分の体調の変化といつ何を食べたのかを記録し、実践と改善を繰り返すことで自分の身体のことを把握していくことでパフォーマンスアップにつなげて欲しい。

 今後も、天草市スポーツコミッションは、選手一人ひとりが健康に成長し、最高のパフォーマンスを発揮できるよう、講習会などを開催していきます。

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