令和5年3月17日(金) 市長記者会見を行いました。
天草市陸上競技場の第3種公認取得と今後の予定について
本渡町広瀬の大矢﨑緑地公園内に、令和3年度から整備を進めております「天草市陸上競技場」につきましては、本年2月に日本陸上競技連盟の第3種公認検定を受検し、3月15日に認定をいただきました。
第3種公認を取得したことで、熊本陸上競技協会が主催する陸上競技会等を開催することが可能となります。
また付帯施設として、全国でも珍しい傾斜走路に加え、練習用走路、1kmの周回コースなども整備しております。これらの施設の活用により、市民の皆さまの健康づくりや競技力の向上はもちろんのこと、さまざまな大会・合宿などを誘致・開催し、交流人口の増加による地域活性化につなげてまいりたいと考えております。
なお、陸上競技場は既に完成しておりまして、現在、外構や駐車場などの整備を行っている状況でございます。6月初旬には全ての工事が完了し、7月1日に供用を開始いたします。
今後の予定としましては、6月25日に市民の皆さまを対象にした施設内覧会、7月1日に落成式、1日から2日にかけて、オープニングイベントとして「アスリートによる陸上体験会」、「チアガールイベント」、「サッカー大会」や「3on3バスケットボール大会」などを計画しております。また、7月15日と16日には、九州地区大学体育大会(通称:夏インカレ)の陸上競技が開催される予定となっております。
これ以降につきましても、本施設を多くの皆さまに利活用していただくため、「スポーツレクレーションフェスタ」や「パラスポーツ体験会」、「オリンピアンによるラグビー体験教室」などを開催して行きたいと考えております。
電子地域通貨利用促進事業について
本事業は、現在運用しております「天草宝島商品券」を、市民が日常で普段使いが出来る「地域通貨」とするため、「チャージ機能」や「カード型地域通貨」を追加し、地域通貨を多くの市民の皆さまにご使用いただくことで、域内経済の好循環やポイント事業による地域コミュニティの維持を図ることを目的として実施するものでございます。
まず、「チャージ機能」の追加につきましては、スマートフォン及びカード決済用のチャージ機20台を市内の道の駅等の公営施設や希望する民営施設に設置し、市民が普段使いで、いつでもチャージできるようにするものでございます。
次に、「カード型地域通貨」の追加につきましては、スマートフォンを所有していない方への対応として、マイナンバーカードを地域通貨のツールとして使用できるようにするため、システムを開発し、運用するものでございます。
また、「電子地域通貨取扱い事業所ホームページ構築事業」としまして、飲食店などの電子地域通貨取扱事業所をとりまとめたホームページを構築し、それぞれの事業所の魅力を発信することにより、地産地消の促進につなげてまいります。
令和5年度におきまして、地域通貨の仕組みと基盤を整備し、その後、この「電子地域通貨」をさらに発展させるために、利用場面を拡大する取組みを行っていきたいと考えております。
デジタルアートの島創造事業について
これまでも地元就職率のアップやUIJターンの促進に向けた環境整備として、企業誘致をはじめサテライトオフィスの整備などを進めてまいりましたが、さらにその取り組みを加速させ、若者や女性の定住促進を図り、持続可能な地域を創造していくことを目的として、成長産業であるゲームやアニメ制作等のコンテンツ産業を本市の新産業として創出してまいります。
まず、令和5年度上半期までに、本事業の推進母体となるCG制作会社(仮称)「一般社団法人 デジタルアート天草」の設立を、ゲーム・CG制作会社で、本年2月に進出協定を締結しました、(株)オレンダワールドと本市の2者により行います。この新会社では、主にゲームやアニメのCG制作などの収益事業を行いながら、持続的にゲーム等のCG制作のための人材育成や企業誘致などの公益性の高い事業経営を行い、本市におけるコンテンツ産業創出の推進機能を果たしていきます。
また、教育事業として、令和6年度から天草工業高校の情報技術科内に、コンピューターグラフィック等を学ぶことができる環境を整備し、高校の魅力向上を図り、職業の選択肢を広げながら、若者の地元への就職と定住促進を図ってまいりたいと考えております。
また、小・中学生、一般市民を対象に、セミナーや講座などを通して、CG制作やコンピューターグラフィック等の普及啓発も並行して行ってまいります。
今後はコンテンツ産業の地場産業化を図り、企業だけでなく、クリエイターの集積も進め、同時に地元人材の教育を実施しながら、地域経済の循環率を高め、若者が輝く持続可能な「デジタルアートの島」を創造し、人口減少の抑制や地域経済の活性化につなげていきたいと考えております。
子どもはぐくみ応援事業の拡充について
本市では、令和3年度から、地域において子どもや子育て家庭を応援する子ども食堂などの取り組みを行う団体への支援を実施しております。
今回、子ども食堂の継続的かつ安定的な運営と自立の促進を図るため、既存の「子どもはぐくみ応援事業」を拡充し、新たに「子ども食堂ネットワーク支援枠」を設け、子ども食堂関係のネットワークを支援することといたしました。
子ども食堂の運営は、寄附された食材や支援物資などを利用して行われるものでございます。
しかしながら、その大半を配分している「フードバンク熊本」などが、遠方の熊本市内にあることから、食材や支援物資の受け取りに係る経費が、子ども食堂運営者の大きな負担となっております。
このようなことから、本市にある「NPO法人わらびかみ」が主体となり、子ども食堂ネットワーク「天草こども未来ネットワーク結の手」が設立されることとなりました。
このネットワークでは、子ども食堂の設立支援や行政・企業との連携による支援体制の構築をはじめ、「フードバンク熊本」などからの食材の受け取りや、食材等の保管、各子ども食堂への配分の取りまとめを行います。
この取り組みにより、市内の子ども食堂で使用する食材等の安定的な供給体制が構築され、子ども食堂の継続的かつ安定した運営が図られることになり、運営者の大きな負担軽減につながるものと考えております。
補助対象経費としましては、食材の受け取りに係る車両のリース代や燃料代、食材の保管に係る倉庫の使用料や光熱水費など、年間250万円を上限として、3年間支援を行い、各子ども食堂の継続的かつ安定的な運営と自立を図ってまいります。
ごみ資源化減量化対策事業の拡充について
本市におきましては、新ごみ処理施設の建設に合わせまして、ごみの総排出量の削減を目指しており、このための対策として令和5年度より、次の事業を実施してまいります。
まず、家庭から排出されるごみの大部分を占めております生ごみを削減するため、生ごみ処理容器等設置補助金を大幅に拡充いたします。
生ごみ処理容器等の購入に対しましては、これまで3万円を上限として、購入費用の2分の1を助成しておりましたが、令和5年度からは助成額を大幅に引き上げ、7万円を上限として、購入費用の4分の3を助成することといたします。
市民の皆さまには、ぜひご利用いただきたいと考えているところでございます。
また、生ごみ処理容器の一つであるコンポストバッグについて、環境意識啓発の一環として、モニターとなる方を300名ほど募集し、効果を実感していただくとともに、利用状況などの情報発信をお願いしたいと考えております。
なお、コンポストバッグにつきましては、就労継続支援事業所と連携して制作を進めており、現在、市役所庁舎内において試作品の実証実験を実施しております。
ごみの資源化、減量化につきましては、市民お一人お一人の日常からの心がけが重要となりますので、市民の皆さまにおかれましては、ご協力を頂きますようよろしくお願いします。
マイナンバーカードを利用した各証明書のネット申請サービス運用開始について
このネット申請サービスは、本年3月1日から運用を開始しているもので、自宅などからマイナンバーカードとパソコンやスマートフォンを利用して本市のホームページにアクセスしていただき、熊本県・市町村共同システム天草市電子申請サービスから簡単に証明書等の交付申請ができるものでございます。
対象の証明書につきましては、住民票の写しや印鑑登録証明書のほか、税務関係、戸籍関係の各種証明書等となります。
発行手数料と郵送料につきましては、クレジットカードかPayPayでの決済となります。
これまで市外の方からの郵送による証明書等の請求につきましては、申請書や本人確認のための身分証明書の写し、返信用封筒、手数料としての定額小為替を同封するなど、煩雑な手続きを行っていただく必要がありましたが、本サービスの運用により手続きが大幅に簡素化され、利便性の向上が図られるものと考えております。
中学校英語検定チャレンジ事業について
本事業は、グローバル人材の育成を目指して、生徒の英語学習意欲を高めるとともに、英語力を向上させるため、英語検定等への積極的な挑戦に対し支援を行うものでございます。
事業内容としましては、公益財団法人「日本英語検定協会」が実施する実用英語技能検定の受検料につきまして、これまで補助の対象を中学3年生のみ、受験料の3分の2としていたものを、中学全学年、受験料の全額に拡充するものでございます。
対象者は、市内の中学校に在籍する英語検定を受験する生徒の保護者とし、生徒1人につき年1回分を補助いたします。
対象となる生徒数は、約1,900人で、100%の受験率を目標としております。
天草市長 馬場昭治
質疑応答
「天草市陸上競技場の第3種公認取得と今後の予定について」
●「傾斜走路」を作った理由はなんでしょうか?
(答)全国でもこの「傾斜走路」は珍しく、傾斜走路と聞くと“上る”方をイメージしやすいと思いますが、これは“下る”ということを体感してもらうことが主であります。下った場合、自分の持てる力以上にスピードが出るのでそれを体感し、記録の向上を目指してもらいたいと思っております。もちろん、上りも利用することが出来ます。
またこれは、合宿誘致にも非常に大きなツールになると考えています。
●ネーミングライツを以前募集していたと思うのですが?
(答)ネーミングライツにつきましては、3月10日を応募締め切りとし、現在1社の応募があっています。24日に審査し、審査で選ばれると令和5年4月1日より5年間、そのネーミングライツの愛称を今後使っていくことになります。
「電子地域通貨利用促進事業について」
●地域通貨の導入は、熊本県下では初めてとなるのでしょうか?
(答)
地域通貨につきましては、人吉市で実施中とのことです。人吉市ではチャージ機を2台設置し、運用していると聞いています。
●「令和5年度に地域通貨の仕組みと基盤整備を行う」と言われたが、実際に地域通貨が使えるようになるのはいつごろになるのでしょうか?
(答)
システム開発を上半期に行い、下半期(9月か10月)には運用開始ができればと考えています。
●現在ある「のさりー」にチャージして利用するものだと思うのですが、他にいろいろ
な電子決裁システムが元々ある中で、この「のさりー」を使ってもらうための、例えば“ポイント付与サービス”とかそういう誘導となるようなことはあるのでしょうか?
(答)「電子通貨にチャージして一定額以上を使って頂いた方を対象に、天草市の産品が抽選で当たる。」というキャンペーンを、来年度は行っていきたいと考えています。それを踏まえ、いろいろな魅力発信を行っていきたいと思っています。
できれば、各事業所とも協力をしながら、市民の皆さんが使えばお得になるようなことも頑張っていただけたらなとも思いますので、そこもしっかりPRしていきたいと思っています。
「子どもはぐくみ応援事業の拡充について」
●
子ども食堂ネットワークとは、すでにある団体なのですか?それとも、今後出来上がり、そこを支援していくものなのでしょうか?
(答)天草こども未来ネットワーク「結の手」として、すでに設立されています。先月認可をされ、法人化された団体となります。
●「いきいき体験・交流活動支援枠」について、具体的に教えてください。
(答)
いきいき体験・交流活動事業とは、地域住民の方と子育て世帯の交流を深める活動に対して実施していくものとなります。これが、補助率2分の1となります。また、ひとり親世帯や養育に課題がある家庭など、さまざまな困難を抱える家庭の負担軽減を図るような取り組みに対しては、上限額は同じ(20万円)ですが、補助率は3分の2として実施していきます。
●この「子ども未来ネットワーク」に絡む団体への支援となるのですか?
(答)この事業と、子ども未来ネットワークへの支援は別のものとなります。
●
こういった支援ネットワークにかかわらず、企画をして行う場合の補助と考えていいのですか?
(答)そのような内容になります。
以上