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市民と市長の意見交換会 ~魚類養殖漁業編~

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市民と市長の意見交換会 ~魚類養殖漁業編~

令和5年5月15日(月曜日)「市民と市長の意見交換会~魚類養殖漁業編~」を開催ました。

 この会は、市民の皆さんのご意見を市長が直接うかがい、天草の今と未来を考え、皆さんとともにより良いまちづくりを推進していくための意見交換会です。 ※内容の一部を抜粋して掲載します。

 

出席者:熊本県海水養殖漁業協同組合関係者11名(A~K)の皆さん

魚類養殖漁業


1 市長より説明

・魚類養殖業の振興に係る取り組みの状況について

 

2 意見交換

(1)赤潮支援について

【水産振興課長】

 皆さんご存じのとおり、昨年7月、赤潮警報が発令され、長期間に渡る赤潮の発生で大きな被害が出ました。このことに関し、財政的支援や、赤潮に強い養殖体制の構築について、事業者・国・県・市で検討しながら対策をとってきたところです。

 今後の赤潮対策について、皆さんのご意見を伺いたいと思います。


(養殖漁業関係者 Eさん)

 赤潮のモニタリングだが、牛深などの場合、そこで発生しているわけではないので、やっても意味がないと思う。赤潮の時期になると、船で御所浦から、水俣・長島など長時間かけて回って見て対策を考えている。そういった船の燃料代を補助してもらうなどの支援があればと思う。自分の目で直接見ないと落ち着かない。


【水産振興課長】

 熊本県全体(不知火海全体)で事業者が連携して監視等を行うグループが15グループできて、そこが一斉に調査をし、その結果を皆さんの携帯で見られるようなシステムができるので、今後は、皆さんの携帯で見ることが可能になります。


【馬場市長】

 自分の目で見て確認することは当然だと思います。国の支援策の中で、赤潮のたびに補填するのではなく、データを取って監視システムを作った方が良いとの考えで、今回はこういう支援の形になったのだと思います。あと、中間魚購入の支援についてですが、当初、赤潮で大量に魚が死んでいったので、来年以降も販売できるよう、県と市で「中間魚の購入支援」についての予算を措置しました。ですが、結果として、中間魚がいない。そのため、稚魚の購入支援についても県と交渉しましたが、県の許可は下りなかったので、市単独で、稚魚に対して支援をすることとなりました。

 

(養殖漁業関係者 Dさん)

 赤潮が出た時の死魚の処理を市に協力してもらえないかと思う。(埋める場所を提供してもらえないか。自分たちも一生懸命探すが、なかなか場所を見つけられない。)被害が出たことに関してはしょうがないと思うが、赤潮被害を受けて精神的にもダメージを受けている時に、さらに、死んだ魚の処理にも苦労するというのは、かなり辛い。鳥はインフルエンザに罹れば埋設するのに、魚は埋設できないと言われる。

 

【水産振興課長】

 昨年の赤潮については、一気に死ななかったということもありまして、大缶(おおかん)に入れて、加工場で冷凍して運ぶことができました。冷凍施設や保管施設、大缶の支援については、今年度も予定はしています。へい死魚を埋めるという行為自体が、環境問題もあって保健所からも許可が出ません。どちらかというと、飼料への転換などを考えなくてはいけないのかなと思っています。

 

【馬場市長】

 鳥インフルエンザは人に感染するので、感染症の観点からすぐ埋めると決められています。へい死魚については、病気が人に感染するという危険性が無いので、あくまでも、法律では産廃の位置づけとなっています。今回は何とか大缶で処理ができましたが、この問題はみんなで考えていかなくてはならないと思います。ただ埋めていくのではなく、逆にそれを活用(魚粉や堆肥など)する場所を造っていくべきではないかと、県とも話をしているところです。

 

(養殖漁業関係者 Hさん)

 今回は大缶で肥料にできたが、トラフグはできなかったので処分した。

 

【経済部長】

 10年前のシャトネラの時のように、大量に魚が死んでしまったら、魚を冷凍保管して長崎の工場に持っていくのは難しいと思います。県の環不知火海持続的養殖推進協議会の中でも、一般廃棄物なので埋めることはできないが、養殖業だけでもガイドライン的に一時保管ができるような取り組みも必要ではないか、という話もしてはいますが、法律との兼ね合いで許可が出ない状態です。

 

【馬場市長】

 東町(鹿児島県長島町)では、その辺がきちんと出来ています。「鹿児島県ができて、なぜ熊本県ができないのか?」ということで、今、県と話し合いをしているところです。トラフグがダメだということは、今日初めて知りましたので、それも含め今後協議をしていきます。

 

(2)燃油高騰対策について

【水産振興課長】

 令和4年度に、市独自の施策として、漁業用資材の高騰対策支援等を行いました。養殖業経営の安定化を図るうえで、燃料費や配合飼料等の高騰、エサの確保などはかなり大きな問題と考えていますが、状況はいかがでしょうか。


(養殖漁業関係者 Gさん)

 現段階で、生エサも凄く手に入りにくい状況になっている。生エサ自体が魚のエサ用ではなく、人間の缶詰用にいってしまう。あと、魚に使ってもいいようなタレイワシとか、捕っても安いので捕らなくなった。ほとんどの漁業者は、配合飼料で養殖をやっていかざるを得ないかなという思い。生エサしか食べられない魚種もいるので、高くなっても、手に入りにくくても頑張って探したりしている。


(養殖漁業関係者 Iさん)

 配合飼料については、その全ての原料が値上がりしているなかで、養殖業界の厳しさを踏まえ、飼料の各メーカーも限界で踏ん張っているところでは。しかし限界があり、今年の4月頃から値上がりしているような状況。また、メーカー側も各生産者と話をしながら飼料を製造しており、価格・質・量のバランスを見極めて、大量に作れるようであれば安くなるかもしれないが、生産の仕方によっては難しい。エサに限らず、燃料、生けす、鉄類や漁網、薬品関係など、どこも値上がりの見積もりを持って行かざるを得ない状況ではないか。


【馬場市長】

 エサの価格アップは、この1年くらいでどれくらいになっているのですか?

 

(養殖漁業関係者 Gさん)

 この1年で4割増しくらい。しかし、単純に、「販売価格がそれだけ上がるのか?」というと、4割上がる訳ではない。養殖を続けていってもいいのか、魚をたくさん飼っていいのか、魚にエサをたくさんあげていいのか、いつ売った方がいいのかとか、全部が迷いである。

 

(養殖漁業関係者 Gさん)

 メインの問題で言うなら「流通」(運送)。来年、2024年になると運送業界もかなり動けなくなる。そうなると、天草のものが東京まで行かなくなるという不安もある。


(養殖漁業関係者 Dさん)

 プラス1日、余分にかかるのではないかな。今まで、中1日あれば行っていたのに、3日くらいかかってしまう。ブリなどは締めて箱で送るが、築地まで着くのにもう1日プラスになると、品質的にもどうなるのか不安。

 

(養殖漁業関係者 Gさん)

 現在は、天草で「産地加工」されているが、そうなるとどうしても「消費地加工」が増えてくるのではないか。消費地までボート(船)で何トンと魚を運び、向こう(消費地)でフィレにするとか。そうしないと日数の問題が出てくる。


(養殖漁業関係者 Gさん)

 熊本天草間の幹線道路も整備が進み先も見えてはきているが、スピード感が欲しい。

 

(3)魚病・漁場環境改善対策について

【水産振興課長】

 平成30年から令和2年の3年間、漁場環境改善策として、試験的に底質改良材を散布させてもらいました。その効果など、現場の皆さんの実感としてはいかがでしょうか。

 また、例えば今後皆さんで取り組むというときに、どのような支援があれば有効でしょうか。

(養殖漁業関係者 Gさん)

 養殖ができる場所というのは、基本的に穏やかな場所なので、そういう場所だと改善には時間がかかると思うが、少しずつ綺麗になってきていると思う。


(養殖漁業関係者 Dさん)

 改良剤の散布について、牛深では、白点病をメインに考えていると思う。牛深でも、年に1~2回は時間や曜日を決めて散布しようという話はしている。ただ、散布するのにも1回100万円近いお金がかかるので、そう頻繁にはできない。回数も、年に2回とか1回とかでやらないと、皆さんの負担もあるので、できるだけ負担を少なくして、効果を最大にできる方法はないものかと思う。


(養殖漁業関係者 Dさん)

(調査については)これまでは、漁業協同組合が年1回やってくれる調査に対応して提出していただけだったが、今回の赤潮対策から、自分たちでも採取(調査)するようになった。

 

【水産振興課長】

 その辺りのデータというのは、行政にも提供していただけますか。

 

(養殖漁業関係者 Kさん)

 可能だと思う。蓄積されているデータもあるのではないか。

 

【水産振興課長】

 今後に役立てていきたいので、よろしくお願いします。

 魚病発生や、魚病診断についてはどのような状況でしょうか。


(養殖漁業関係者 Jさん)

 魚病診断については、少し前までは市の水産研究センターに持ち込んでも診ることができる人がいなかったから、県の水産研究センター(大矢野)まで持って行った。しかし、死んでいるのですぐ対策したいのに、遠くまで持って行っていると対処ができない。それで、持って行かなかったりなど。自分で見て大体分かるから、投薬するという流れかな。県のセンターは遠いので、活用しづらかった。


(養殖漁業関係者 Aさん)

 魚病の診断は薬屋さんまたは飼料メーカーの診療所にお願いしている。今はノカルジア症というのに頭を抱えている。


(養殖漁業関係者 Gさん)

 うちの地区では、2歳魚のミコ(ミコバクテリウム症)に悩まされている。手が付けられない。


(養殖漁業関係者 Aさん)

 打つ手がない。薬もないし。


【水産振興課長】

 天草市が長崎大学と連携協定を結んでいますので、研究をお願いするとか、その辺も、県と相談しながら、試験的にできればと思います。魚病については、大学とも話をしながら進めていければと思います。

 

(4)魚類養殖漁業の今後の展望について 

【水産振興課長】

 最近養殖業の信頼性や安心とか、他との差別化を図るために、「ASC(水産養殖管理協議会)認証」とか、「MEL(マリン・エコラベル)認証」といった国際認証を取得するような動きが活発になってきていると思いますが、この辺の取り組みなどについては、どのように考えていらっしゃいますか?

 

(養殖漁業関係者 Jさん)

 ASCを取得したことで、従業員の意識が変化した。きちんと文面で自分たちの評価をもらい、“こう改善しないといけない”とか。みんなでやらないと社長一人でやりたいと言ってできるような認証制度ではないので。内部の人たちの意識は変わったかなと思う。

 

(養殖漁業関係者 Kさん)

 ASCはオファーが多い。

 

(養殖漁業関係者 Fさん)

 それ(ASC)を取るのに、どういうことをすればいいのか?


(養殖漁業関係者 Hさん)

 取得するには、手続きとか、もの凄く大変。

 

(養殖漁業関係者 Kさん)

 法律から能力から、社会貢献まで全部見られる。そもそも、人工種苗じゃないと取れないのと、投薬が制限されている。


(養殖漁業関係者 Jさん)

 自分の会社だけじゃできない。関連する企業全部を巻き込まないといけない。


(養殖漁業関係者 Aさん)

 うちはMELを4年前に取ったが、分厚い書類を作って取得した。年次審査があって、更新にもお金がかかる。


(養殖漁業関係者 Kさん)

 外資系のホテルなど、調達方針でそういうのを使うというのがある。ヒルトンとかはやっぱり買われる。海外から「持っているか?」と聞かれ「持っている」と答えると驚かれる。


(養殖漁業関係者 Dさん)

 養殖を続けていく上で一番困っているのが、人手不足だと思う。求人を出しても、なかなか応募がない。どこでもそうだが、外国人の方を雇っているところも多いのだが、外国人の住居について悩む。田舎なので、「外国人には貸したくない。女性ならいいけど、男の子は嫌だ。」とか言われる人が多い。空いている市営住宅を開放してもらえないかと思う。規約で、1世帯に2~3人で入ると、所得が上がって家賃が高くなるので、そうすると、彼ら(外国人)も払いたくなくなると思う。来ている意味がなくなる。そういうものに、特別に何か、外国人に対して出来ないのかなと感じている。


【水産振興課長】

 外国人もそうですが、新規就業者でも漁業者さんの受け入れで住宅問題が出てきています。住宅がないと来てもらえない。来ても住宅がない・・・といったのがあるようなので、その辺については地域政策課の移住定住係とも相談しながら検討していきたいと思っています。

 

【馬場市長】

 天草市内で7千件空き家があります。特に一番多いのが牛深。本渡より多い。そういう状況なので、空き家の活用方法を考えていかなくてはいけないと思っています。人材不足は漁業に限らず、農業、工業、さまざまなところで外国人の労働者に頼らざるを得ない状況になっていると思うと、そこの対策は重要なところだと考えます。

 

【馬場市長】

 天草の場合は「捕る」漁業が盛んに行われていますので、漁場を占有することは難しい面もある一方、これからの養殖事業のなかで、例えば「沖出し」だとか、そういうものも考えていかなくてはいけないのかなと思います。漁協ともしっかり話し合っていきながら、やらないといけないと考えています。あらゆることを考えて、可能性が少しでもあれば、みんなで解決して取り組んでいきましょう。

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