本渡看護専門学校では、市と東京藝術大学が5月に結んだ「アートと福祉」による島づくりを目指す連携協定の一環として、6月から東京藝術大学の特別講義が始まりました。
東京藝術大学では、「多様な人々が共生できる社会を支える人材を育成する」ことを目的としたプロジエクト「DOOR」の授業を2017年度からオンラインを中心に行っています。
本校とのつながりは、アーティストの日比野克彦さんが令和4年4月に同大学の学長に就任され、長年、本市の「天草大陶磁器展」に関わってきたご縁があり実現しました。
7月18日、1年生2回目の講義があり、講義の冒頭に日比野学長からビデオメッセージをいただきました。学長からは、「福祉も芸術も人の心にどう作用していくのかが大きなポイントであり共通点。違いを認め合う芸術の特性を福祉の視点に入れると、現代社会で重要なポイントを見つけられるのではないか」と学生に呼びかけられました。
第1回目は6月に「病院におけるアートの力」について講義が行われ、この日の2回目は、LGBTQ(性的マイノリティ(性的少数者))の当事者から「多様な性のあり方」について講義がありました。
受講した学生からは、「アートと医療や看護は何の関わりもないというイメージがあったが、結びつきが深いことが分かり、自分自身の考え方が変わった」、「同じような立場の人たちの中にいると、視点が凝り固まってしまう。いろいろな価値観に触れ、多様性を知っていきたい」などの感想がありました。
これから、月1回のペースで本講義を受講し、医療・福祉などの当事者や実践者、アーティストの言葉を聞くことにより、多様な視点や認識を知り、これからの社会において必要不可欠な知識と技量を身に着けた看護師の育成を目指していきます。