最近の市政の動向についてご報告を申し上げます。

国際交流について

　まず、本市の国際交流の状況についてご報告いたします。

　新型コロナウイルス感染症の流行以降、令和２年から海外との交流ができない状況が続いておりましたが、感染症の５類移行や行動制限の緩和などを受け、本市と官学協定を締結しております韓国・忠清大学校との対面での交流につきまして、４年ぶりに実施をすることができました。

　まず、７月６日から９日にかけて、忠清大学の学生５人と引率の教授１人が本市に滞在し、市内視察やホストファミリーとの交流を通じて、日本での生活や文化を体験しました。また、７月27日から31日には、本市の高校生５人が同大学を訪問し、文化施設の視察やホストファミリーとの交流を通じて韓国の生活や文化を体験いたしました。

　なお、今回の交流に際しましては、４月から本市に勤務しております韓国出身の国際交流推進員「洪 慧林」さんが、通訳およびサポートを行い、さらに本市からの派遣者に対して、韓国語の日常会話などの事前学習を実施いたしました。

　洪さんにつきましては、天草高校と韓国・トピョン高校との交流時の通訳支援や本渡東中学校での韓国語講座などの活動にも取り組んでおりまして、今後も市民向け国際理解講座・韓国語講座の実施や忠清大学との連絡調整など、多文化共生の推進及び国際交流事業の充実のため活動することとしております。

　次に、本市と姉妹都市交流をしております、アメリカ・エンシニータス市につきましても４年ぶりに対面での事業を実施いたしました。

　これまで訪問と受け入れを交互に実施しており、今年度は本市の中学生６人と引率の教諭１人が７月25日から８月３日まで、エンシニータス市を訪問し、ホームステイにより現地の方との交流及びアメリカの生活や文化を体験いたしました。

　本市の国際交流事業につきましては、コロナ禍を経て、数年ぶりの事業再開となりましたが、派遣研修の申し込みやホームステイ等の受け入れなど、多くの市民の皆さまに関心を寄せていただきました。引き続き、国際感覚豊かな人材の育成と交流による地域の活性化のため、さまざまな事業に取り組んでまいります。

県民体育祭について

　続きまして、熊本県民体育祭天草大会の準備状況についてでございます。

　令和６年９月に天草地域を主会場として実施される第79回熊本県民体育祭天草大会の開催に向け、天草郡市２市１町の自治体、スポーツ協会および関係機関の代表者で構成される実行委員会の設立総会が、去る８月28日に開催されました。総会では、実行委員会の設立が承認され、実行委員会の会長には私が就任することとなりました。今後、開催に向けた準備をさらに推進してまいりたいと考えております。

あましんスタジアム（天草市陸上競技場）について

　次に、７月15日から16日に あましんスタジアムにおいて開催された、第73回九州地区大学体育大会陸上競技会についてでございます。

　大会には、九州管内の大学17校から、279人の選手が参加されました。大会では男子100ｍやハンマー投げなどで10個の大会新記録が生まれ、施設面においても大会関係者から好評価をいただきました。

　なお、大会関係者の宿泊に関しましては、スポーツコミッションにおいて490泊の宿泊を　市内の宿泊業者に斡旋したところでございます。

　次に、スポーツ合宿についてでございますが、11月から三菱重工マラソン部やマツダ陸上競技部などの実業団の合宿が予定されており、あましんスタジアムや市内のロードコースにてトレーニングを実施される予定となっております。

　また、あましんスタジアムにおきましては、市民とアスリートの交流事業として、９月９日から10日にラグビー教室、11月19日に陸上教室、12月から１月にかけてチアダンス教室の開催を予定しております。

　次に、７月のあましんスタジアムの利用状況でございますが、７月１日のオープンから７月末までの１カ月間のスタジアム内施設の利用者数は4,409人でございました。また、練習用走路や周回コース等のその他の施設につきましても、毎日多くの皆さまにご利用いただいているところでございます。

 赤潮被害について

　次に、八代海における赤潮被害の状況についてご報告いたします。

　本市における魚類養殖等への被害状況は、本日現在、被害尾数が約50万尾、被害額は７億円を超える見込みとなっております。

　現状では、有害プランクトンは減少傾向にありますが、現在も八代海には　赤潮警報が発令されておりますので、引き続き警戒を行ってまいります。

　９月４日には、上天草市や津奈木町、熊本県養殖漁業協同組合とともに、熊本県及び県議会に対し厳しい現状を伝え、支援について要望を行ってまいります。

　また、熊本県や上天草市、津奈木町とも緊密に連携し、支援策を取りまとめ、必要な予算等については、議会にご提案してまいりたいと考えております。

 企業誘致について

　次に、企業誘致の状況についてでございます。

　これまで地元就職率アップやＵＩターンの促進に向けた環境整備として、企業誘致を進めてまいりましたが、今般、新たに２社の企業と進出協定を締結いたしました。

　１社目は、福岡県糸島市に本社を置くCX Value Lab 株式会社 様でございます。

　主に、企業のDX化支援や経営コンサル、また、WEBシステムやアプリ開発などの事業を行っておられます。

　新規雇用予定者数は５人で、現在、北浜町のシェアオフィスに入居され、７月から業務を開始されております。

　２社目は、東京都渋谷区に本社を置く株式会社ＧＡＤＧＥＴ 様でございます。

　主に、広告などに用いられる３Ｄ映像の制作やＡＩを活用した音声合成事業等を行っておられます。

　新規雇用予定者数は10人で、中央新町のシェアオフィスに入居され、９月の業務開始に向けて準備をされております。

　以上２社の進出をもちまして、本市における進出企業は合併後23社となりました。

　今後も若者や一度市外に出られた方などに対して、天草で働くという選択肢が広がるよう、引き続き誘致活動に取り組んでまいります。

　また同時に、地元企業とのマッチングなど、進出後の定着に向けてもしっかりと支援してまいりたいと考えております。

デジタルアートの島創造事業について

　次に、デジタルアートの島創造事業の進捗状況についてでございます。

　本市では若者の地元定着を促進し、持続可能な地域を創造することを目的として、本年度から「デジタルアートの島創造事業」に取り組んでおります。今般、事業の推進母体となる法人を新たに設立しましたので、ご報告させていただきます。

　７月10日に、本市と誘致企業であります株式会社オレンダワールドにより、これまで天草になかった、若者に人気のゲーム・アニメ制作等のデジタルコンテンツ産業を創出することを目的とした法人、「一般社団法人デジタルアート天草」を設立いたしました。

　代表理事には、株式会社オレンダワールドの澁谷代表にご就任いただき、中央新町の空き店舗を改修して業務を開始しております。

　主な事業としては、雇用の受け皿となるデジタルコンテンツ産業の企業誘致に取り組むほか、令和６年度から天草工業高校の情報技術科にコンピューターグラフィックス（ＣＧ）等を学ぶことができる環境が整備されることに伴い、その講師を同法人から派遣することとしております。

　また、小・中学生や一般向けのＣＧ人材の育成にも取り組んでまいります。

　本市としましても、同法人と連携しながら「デジタルアートの島創造事業」の推進を図り、人材の持続的な定着により、地域経済の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。