市民と市長の意見交換会 ~天草地域まちづくり編~
令和5年7月24日(月曜日)「市民と市長の意見交換会 ~天草地域まちづくり編~」を開催ました。
この会は、市民の皆さんのご意見を市長が直接うかがい、天草の今と未来を考え、皆さんとともにより良いまちづくりを推進していくための意見交換会です。 ※内容の一部を抜粋して掲載します。
出席者:天草まちづくり協議会ほか12名(A~M)の皆さん
1 市長より説明
・第3次天草市総合計画(令和5年3月改定)について
2 天草まちづくり協議会から説明
・天草まちづくり協議会の取り組みについて
3 意見交換
(まちづくり協議会 Kさん)
天草町は天草を代表する観光スポットや観光施設が多くあり、たくさんの観光客が来訪される。天草市の予算編成時にそれぞれに観光振興、および地域づくりに取り組むための予算立てを検討していただきたい。国道・県道・市道の木の伐採や観光案内板清掃、修繕など、支所の予算を増やしていただけたらと思っている。
まちづくりの予算であるが、人口減少の関係で、まちづくりのために交付される地区振興会の活動費が減少している。国勢調査の人口割で算定するのではなく、その地域にあった特色ある事業をやっているかで予算を検討していただければと思っている。
【馬場市長】
各地の木の伐採や清掃などについては、支所の予算だけではなく、本庁予算で対応してる部分もありますので、今後もっとわかりやすく、「予算の見える化」をしていく必要があります。支所が実施しやすい方法を含めて検討したいと思っています。また、おっしゃる通り、まちづくりの予算は、“人が減ったから減らす”ということでは、活動できなくなってしまいます。お祭りなど、文化・伝統として必要なものは、残していかなければならないし、予算を市から支出するのか、また、ふるさと納税等を活用できないかについても、支所と調整をしながら進めていきたいと考えています。
(まちづくり協議会 Kさん)
市長が言われるように「伝統文化の継承」ということで、大江地域づくり振興会では、小・中学生にいろいろなボランティア参加の協力をお願いしている。小・中学生も一緒になって、地域の祭りを盛り立てていきたいと考えている。
【馬場市長】
子どもたちが地域にどんどん参加していくことは、人生経験の中で非常に大事なことだと思っています。ぜひ、子どもたちと一緒にまちづくりをやっていただきたいと思います。
(まちづくり協議会 Kさん)
西平椿公園には遊歩道が2カ所あるが、急傾斜地にあり、遊歩道に手すりを付けて欲しいという要望がある。転倒防止の面からも手すりが必要である。また、西平椿公園の駐車場に身障者が来られた場合、車いすで降りて行かれるのが非常に厳しいので、アスファルト舗装ではなく、景観に良い舗装で整備を検討いただきたい。
【馬場市長】
椿公園の階段の手すりは、景観への配慮をふまえつつ、本当に必要な箇所、また、どういう素材がいいのかも含めて検討していきたいと思います。また、駐車場についてですが、安全な乗降のためには、平らな場所を作り、そこに車を停めて降りていただくといった方法も考えられるかと思うので、この辺りを含め、整備について協議をさせてください。
(まちづくり協議会 Eさん)
福連木地区のイベントと言えば「子守唄&童謡まつり」であるが、人材不足と高齢化、予算不足ということで開催に大変苦労している。地域住民や出郷者に寄付をお願いしているが、今後予算等の配分をもう少しどうにかならないか。
【馬場市長】
まつりの開催のため住民の方々が寄付をされていることは、すごいことだと思います。現在、各まちづくり協議会に配分されている「ふるさと応援寄付金」もありますので、予算の問題は、今後、こういったものの活用も含めて検討する必要があると考えています。皆さんの過度な負担になると、当然続けていけなくなるので、私たちとしても応援していきたいと思っています。
(まちづくり協議会 Eさん)
天草西海岸を巡るコースは、大変評判がよく、多くの観光客が訪れているが、西海岸を回る途中で何か食べようかとなった時、食事をする所やお土産品を買う場所がない。今後そういう観光拠点施設をつくる意思はないか。
【馬場市長】
市で飲食する場所をつくることは、基本的に考えていません。今活動されている、民間の力で賑わっていくように、まずはそういうところを努力していきたいと考えています。また、おっしゃるように、どこで食事ができるのか分からないといった点はあるので、情報発信の仕方など、しっかり考えていかなければなりませんね。鬼海ヶ浦展望所にある「ブルーガーデン」についても、現在、運営する事業者を公募しているところですが、決まるまでの間は土日の営業を行っており、夏休みの間は平日も臨時的にオープンして対応しているところです。
(まちづくり協議会 Aさん)
天草西海岸は「サンセットライン」と言い、非常に景観が良いところで、その中でも、白鶴浜海水浴場の管理委託を高浜地区振興会が受けており、どうすればお客さんがもっと来てくれるかと考えているところ。環境面で、シャワー施設が老朽化していて危険なので、改修を検討していただきたいのと、一年を通してサーファーが来ており、温水シャワーにすれば収益が上がると思われるので、温水シャワーの設置をお願いしたい。
【馬場市長】
トイレ・シャワー施設の改修については計画をしていたところですが、冬や春先の寒い時期にもキャンプをされる人が増えてきているということですので、温水シャワーについても考慮していきたいと思います。
(まちづくり協議会 Aさん)
高浜地区には旧家の「上田家」と、今は閉まっているが「白磯旅館」がある。将来的に展開が出来ると楽しい場所になると思っている。歴史的なことなど、私たちが知っていることは子どもたちにも教えていきたい。自分たちの故郷を自慢できるような子に育ってほしい。上田家を後世に残していくべきだと思うが、市長の考えをお聞きしたい。
【馬場市長】
上田家の存在は、天草の歴史にとって非常に重要な位置付けにあると思っています。上田家で所蔵されている日記がありますが、まだ未解読が4千数百件残っており、熊本大学との合同調査で、解読を進めているところです。キリスト教の歴史なども大事にしていきながら、天草の世界遺産の関連付けを含め、しっかり磨いていかなければならないと思っています。
(まちづくり協議会 Hさん)
下田南地区には笠松公園がある。天草西海岸の風景は十三仏公園から眺めるのが一般的であるが、笠松公園から眺める風景も非常に見応えがある。また、五足の靴遊歩道もあるが、これは与謝野鉄幹たち5人が旅をしたということで、下田北の大橋から鬼海ケ浦、鬼海ケ浦から下田南の貯水池までの遊歩道が昭和50年代に整備された。しかし、今はほとんど人が通っていない状況で石垣も崩れている。五足の靴遊歩道の再興と下田南の笠松公園の整備をし、新たな観光の再発見にしていただきたい。
また、雲仙国立公園に天草が編入されてから70周年であるが、それと世界遺産登録5周年を記念してイベントを企画していただけたらと思っている。
【馬場市長】
五足の靴遊歩道と笠松公園ですが、ここは眺めがよく素晴らしいところと思っています。ですが、天草西海岸も広いので、まずは利用が多い箇所の整備や管理を集中的にしっかり行うなど、優先順位を付けながら進めていきたいと思います。
また、世界文化遺産登録5周年と雲仙天草国立公園指定70周年のイベントにつきましては、現在、検討をしているところです。世界文化遺産登録5周年についてはすでに計画・実施中であり、長崎と一緒になって、今年1年間かけてイベントを進めて行きたいと思っています。
(まちづくり協議会 Iさん)
小田床漁港は第1種漁港として地元の漁業者が利用できるよう整備されている。近年、市内外からマリンスポーツを楽しむため多くの人が訪れていることはうれしい限りである。しかし、マナーが悪く、地元住民とトラブルを起こし、住民からクレームが出ている。天草支所からも応援していただき、清掃をしたり看板を使わせていただいたりしたが、もう少しご尽力、関わりをいただきたい。
【馬場市長】
住民の皆さん方の努力に、心から感謝を申し上げます。行政も一緒になって、対応を考えていかなければならないと思っています。
(まちづくり協議会 Gさん)
国民宿舎あまくさ荘の跡地利用は、中村前市長と公園として整備する話をして、中一年空けて支所と地元で協議を行い、その時にも華美な計画は立てず、駐車場とベンチだけとする計画であったが、どうなっているのかお尋ねしたい。
【馬場市長】
あまくさ荘跡地につきましては、ベンチを設置するなどの案は了承しており、計画は考えています。しかし、現在、ブルーガーデンの運営事業者の公募を行っているところで、公募の結果によっては、そこをどういう使い方をするかということも含め、公園としての在り方やデザイン、設計も変わってくるかもしれません。そのような観点から、一旦、止まっている状態です。
(まちづくり協議会 Gさん)
今、熊本県はTSMC(世界最大の半導体メーカー)の進出に沸いている。下田の旅館やホテル、飲食店など地域を巻き込んで、アジアを意識した看板作りや、台湾、韓国など、隣のアジア系を対象にした整備をさせていただければ面白い雰囲気作りが出来ないかと思っている。行政からするのではなく、地域を巻き込んでさせていただきたいので、知恵と人材を送り込んでいただければと思っている。
【馬場市長】
台湾や海外からの方々を天草に呼び込んでいくことは、戦略的にも必要だと考えており、しっかりやっていきたいと思っています。
海外の方々が、“どういう好みがあり、どうしたらたくさんの人たちに来てもらえるのか”ということについては、日本人が考えてもなかなか思いつかないのではないかと思います。日本らしいものを欲しがられると思いますので、現地の人たち、海外の人たちに天草を見ていただいて、いろいろなご意見、アイデアをいただきたいと考えています。ですので、まずは海外の人に来てもらって、天草全体を見ていただきたいと思います。これは観光関係の方々とも打ち合わせをしながら進めていきたいと思います。その際には、地元の人たちにも話をしていただく機会を作っていただければと思っています。
(まちづくり協議会 Iさん)
天草市ではブルーツーリズム連絡協議会が組織されていない。協議会を立ち上げていれば国の補助金などがあるが、それを活用するにはどうすればいいかが分からない。そういうことにも積極的に現場の声を聴いていただき、協議会の立ち上げについては、行政から力を貸していただきたい。
【馬場市長】
行政としてさまざまな事業を行っていますが、なかなか隅々まで情報がいきわたっていません。情報発信をどうやっていけばいいのかが課題でありますので、こういう意見交換会の中で出た情報なども、皆さんから地域へ広げていただければと思っています。ぜひ、ご協力をお願いします。
(まちづくり協議会 Eさん)
合併する前に、天草町で「ふるさとカルタ」を作成していて、現在は大江ロザリオ館で売っているが、あと残り少ししかない。今後は作らないと聞いたが、こういう貴重な物は残していただきたい。観光のお土産にもなるので残すようにできないか。
【天草支所長】
「ふるさとカルタ」は当時、学校での教育の中で天草の故郷を伝えて行こうということで作った物です。これについては、天草町にとっても非常に大切なものと考えていますので、まちづくり協議会の中で協議をさせていただきたいと思います。
【馬場市長】
本日はありがとうございました。皆さんのご意見をしっかり聞きながら、これからも進めていきたいと思います。