森林環境税と森林環境譲与税
森林には、国土の保全や水源の維持、地球温暖化の防止、生物多様性の保全などさまざまな機能があり、私たちの生活に恩恵をもたらしています。しかし、林業の担い手不足をはじめ、所有者や境界の不明な土地が増え、経営管理や整備に支障をきたしています。森林の機能を十分に発揮させるためには、間伐などの適切な森林整備が必要です。
このような現状に加え、平成27年のパリ協定以降、日本の温室効果ガス排出削減目標の達成に加え、災害防止を目的とした森林整備に要する地方財源を安定的に確保する必要が生じたことにより「森林環境税および森林環境譲与税に関する法律」が創設されました。
森林環境税および森林環境譲与税のしくみ
森林環境税
税率
年額:1,000円
課税方法
前年度の所得に基づき課税し、市民税・県民税と併せて徴収します。
これまでとの変更点
平成26年度から、東日本大震災復興基本法に基づき市民税・県民税にそれぞれ500円(計1,000円)加算されていましたが、令和5年度で終了し、令和6年度から森林環境税の徴収が開始されます。
※県民税の均等割には、熊本県水と緑の森づくり税500円が加算されています。
[課税されない人(非課税基準)]
市民税・県民税と同様に、次の基準に該当する方は、森林環境税が非課税となります。
- 扶養親族のない人 合計所得金額が38万円以下
- 扶養親族のある人 合計所得金額が28万円×人数+26万8千円以下
- 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親に該当する人で、合計所得が135万円以下
森林環境譲与税
天草市の森林の状況について
本市の総面積の約67%は森林で、その森林のうち約43%は林業経営を目的とした人工林です。しかし、林業をとりまく環境は厳しく、木材価格の低迷や林業経営費の上昇、林業労働力の不足などにより、林業生産活動が全般にわたり低迷しています。加えて台風や集中豪雨等の自然災害が、森林所有者の林業経営意欲を減退させ、手入れ不足の森林を増加させています。
森林には、二酸化炭素を吸収固定する役割をはじめ、土砂災害を防止する機能や水源を確保する機能、気が休まる保健機能など、多くの機能があります。これからも、森林が持つ多面的機能を十分に発揮していくことが、人々の暮らしや環境を守るために重要です。
本市では、森林環境譲与税を森林整備や人材の確保・育成等に関する事業等に活用しながら適正な森林管理に取り組んでいます。
森林管理の取り組み状況について
○未来につなぐ森づくり
平成31年4月に施行された森林経営管理法に基づき、森林所有者に対して森林管理に関する意向調査を行っています。近年頻発する集中豪雨等による土砂災害の減少や脱炭素社会の実現のためには、適切な森林管理が必要です。手入れ不足の人工林の所有者の意向等を把握し、適切な森林整備などを推進しています。
○林業の担い手支援
森林整備に必要となる林業就業者確保・育成を行っています。また、林業事故の防止のために、技能向上や労働安全講習の受講などの支援も行っています。
○木材利用の促進の支援
天草産材の需要拡大のために、天草産材を利用した住宅などに対する建築経費の一部を助成しています。品質の良い天草産木材の流通・利用促進を行うことで林業関係者だけではなく建築関係者なども含め地域活性化につながっています。
また、森林の付加価値を高める林業の6次産業化に取り組みます。林業関係者を他産業とつなぐことで、本市の森林が持つ豊かな資源を有効に活用します。
関連情報
問い合わせ先
税制度に関すること…課税課 TEL:32-6050
森林管理の取り組みに関すること…農林整備課 TEL:32-6793