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市民と市長の意見交換会 ~農政懇談編~

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市民と市長の意見交換会 ~農政懇談編

令和5年8月25日(金曜日)「市民と市長の意見交換会 ~農政懇談編~」を開催しました。

この会は、市民の皆さんのご意見を市長が直接うかがい、天草の今と未来を考え、皆さんとともにより良いまちづくりを推進していくための意見交換会です。
※内容の一部を抜粋して掲載します。

出席者:あまくさ農業協同組合および本渡五和農業協同組合の各部会に所属する農業従事者17名(A~Q)の皆さん

  • 農政懇談編


1 意見交換

(1)新規就農者支援事業について

【農業振興課長】
農業センサスのデータによると、農家総数が平成12年は6,596戸だったのが、直近の令和2年は3,885戸とかなり減少が進んでいます。JAの部会員数も販売農家が急激に減少しています。令和4年は部会員が2,658人ということで、販売農家が3,000人を切っているという状況です。
JAでの販売高の状況は、平成25年で47億円、令和4年においては33億円となっており、令和3年が42億円だったのに対し、柑橘の極端な裏年や牛の価格低減が大きく響き、前年から約9億円減っているという状況です。また、農家の高齢化やコロナの影響もあるのではないかと分析しています。
畜産では、天草家畜市場の年間の子牛の販売価格が、昨年度においては約612,000円というのが平均でした。以前は80~70万円であったのが、ついに70万円台を切っている状況です。
このように、部会員数の減少に伴い販売額も減っているということで、やはり農家の高齢化や担い手不足という2つが大きな原因になっていると思います。
対策として、ここ数年をかけて取り組んでいることを2つ説明させていただきます。
1つ目は、新規就農者支援事業です。
平成29年にJAあまくさとJA本渡五和の両農協と、県の農業普及・振興課、そして本市の農業振興課との3者で「新規就農サポートセンター」というものを立ち上げて支援をしています。県のデータでは、平成30年から令和4年までの間に本市において68人が新規就農され、うち令和4年度は18人です。新規就農サポートセンターの就農相談から営農定着までのサポートについて、各農協さんの部会員さんを中心に、新規就農の研修生として受け入れて頂き、技術的な面をサポートしてもらうという取り組みが、新規就農者の心の支えにもなっているのではないかと思います。このようなこともあり、一定数ずつではありますが、新規就農者を確保でき一人前に巣立ってもらっています。
また、今年から「親元就農奨励金」という、天草に帰ってきて農業に従事してくださる方への奨励金制度を設けました。44歳までに就農した人には年間80万を最大3年間、54歳までに就農した人には年間40万を最大3年間、という形で市から支援を開始しました。4月からこれまでに6人が新規就農奨励金を受け取り、部会に所属し、頑張っていらっしゃいます。
このように平成29年から農協さんと力を入れているところですが、この新規就農対策についてどのように感じられているのか、お聞かせください。


(農業関係者 Cさん)
今年、息子が天草に帰ってきて、新規就農支援を受けた。息子が帰ってきて農業を続けていくことができるし、こういった事業で支援してもらい、良かったと思う。


【農業振興課長】
果樹では研修生が来ていましたが、どうでしたか。


(農業関係者 Aさん)
研修生には最初に、「なかなか農業だけで生計を立てていくのは難しいから、もう一度奥さんと話し合え」と伝えた。農業で月に20万円の収入を得るのは相当大変だということを最初に言った。そこを家族で話し合った上で「農業をする」ということだったので、受け入れることにした。農業は思うほど簡単にはいかないので、できないのならばキッパリ戻れるよう、最初に聞いた。作業の進め方などを教えつつ、教えることで自分の勉強にもなる。研修生は、非常に一生懸命やっている。


【農業振興課長】
新規就農の事業をするにあたっては、いろいろな課題が見えてきています。受け入れ側もかなりのストレスがありますが、それ以上に、来られた若い人は、倍以上のストレスを感じているため、そこを上手くつなぎ合わせていかなければなりません。また、高齢のため農業を辞める人もおられるので農家も減っています。自分の子どもや新たな農業者を増やし、部会員数の確保をしていかなければ、天草の農業の衰退にもつながります。そのためには、それぞれの部会で新規就農者を快く迎え、農協さんや農家で可愛がるという意識を持つことが一番重要だと思います。せっかく親元就農奨励金を創設しましたので、経営が安定しているタイミングで声かけをして、部会員を確保していく取り組みをお願いしたいと思います。行政と農協は「支援」はできますが、「仲間を増やす機会」は農家さん自らで頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。


(農業関係者 Lさん)
新規で来られた就農者への支援もいいと思うが、今農業をしている人が辞めないよう、一緒に働いている人たちに対しても何らかの支援はないのか。10年、15年と後継者として一緒に従事している人もいる。すぐに答えは出ないと思うが、このような要望があったということで、よろしくお願いしたい。


(農業関係者 Aさん)
研修で来た人は、「なかなか樹園地が見つからない」ということなので、やる気が出るような対策をお願いしたい。農地などの確保を行い、研修生が農業を始めやすいようにしてから、研修生を呼び込むといいと思う。


【農業振興課長】
新規就農者に対する機械やハウスの補助などはありますが、「農業をする場所がない」という件につきましては、「農地貸出奨励金」という制度を新設しました。農地を貸し出す人を対象に、新規就農者が半年以内に引き継ぎできる樹園地を貸し出す場合は農業委員会から1反当り5万円の奨励金があります。また、それ以外の水田などは1反当り3万円の奨励金を交付するということで、普通は就農される側にしかありませんが、農地の交渉をしやすくするため、貸し出す人にも今年からこのような奨励金制度を設けました。
また、離農等により、今後手放される農地の把握にも取り組んでいるので、情報提供など、皆さんにもご協力をお願いできればと思います。


(農業関係者 Gさん)
親元就農奨励金について、対象者に「1経営につき1人を交付対象者とする」とあるが、今は農業者数が減少しているので、牛だと、一経営あたりでカバーする農地の面積は逆に増えている。そうなると、1経営当たり1人では、10年後、20年後は経営状態も変わってくる。現に、自分の甥っ子が帰ってきて農業を継ぎ、自分の子どもはまだ小さいが、将来自分の子どもも農業に就くとなったら、1経営当たりが2人になる。その辺りも考慮しながら、変えていった方がいいのではないかと思う。親元で就農したいという人は、経営体など、ある程度の基盤が整っているところが多いと思う。そういう所には、今後も農業をしたいという人が集まってくる。「2人が就農したい」という事例も十分可能性はあるので、そのような場合の対応も考えていってほしい。


【農業振興課長】
今の事例に関しては、親元就農奨励金ではなく、別の給付金の方で対応できると思いますが、貴重なご意見をいただkましたので、天草の経営規模をみながら、時代の要請に沿って制度を検討していきたいと考えます。


(農業関係者 Hさん)
研修して就農するときに「安心感」が無いといけないと思う。クリーンセンター建設が計画されていると思うが、その廃熱などを利用して何かできないか。例えば、ハウス団地などを造り、就農するときはそこに優先的に入ることができる制度などがあれば、少しは安心して就農できるのではないかと思う。


【馬場市長】
廃熱を利用する計画は、現時点ではありませんが、ご提案のような取り組みの効果が見込まれる場合は、地域と相談しながら考えていきたいと思います。


【農業振興課長】
2つ目は、天草型スマート農業の推進についてです。
「天草型スマート農業ビジョン(R3策定)」では、推進方針として「①機械の共同化、②受委託作業の推進、③作業の省力化」を掲げています。「スマート農業」というと大きな機械を導入するイメージがあると思いますが、それにより皆さんの農業経営を圧迫することがないよう、「天草に必要なスマート農業は何だろうか」という視点でスタートしました。昨年、水田、果樹、園芸、畜産などのそれぞれの分野で現状と課題、今後想定される各分野でのスマート農業をまとめ、今年は各地を回り、市からの提案をしながら皆さんのご意見を伺っているところです。各部会で議論をしていただき、自分たちの作業がもっと楽になるにはどうしたらいいかなど、それを基に必要な補助事業の要望があれば教えていただきたいと思います。
果樹部会では、果樹園の防除の実証事業をドローンで行っています。 “本当にドローンで良いミカンができるのか”、実際農家さんは不安ですので、1年を通して実証事業を行い、少しずつスマート農業の予算展開をしています。園芸部会では、生分解性マルチをレタスで実証していただいています。畜産部会でも、IT機器などの補助事業も予算化をしています。このようなスマート農業について、ご意見はないでしょうか。


(農業関係者 Aさん)
本渡地域の下浦・志柿地区で樹園地の整備を計画されているが、作業をしたとき、どれだけ作業性が上がる樹園地を造るかが一番最初の課題だと思う。親元就農や新規就農する人がいると思うが、まずは樹園地造りに支援をして、1年1年、担い手や若手にどのくらい収穫があるのかの実証をし、推進していくと良くなると思う。就農が始まるまでの間は、樹園地を提供する人に管理してもらい、肥料などの助成は、国の補助事業を活用すればよいのではないか。


【馬場市長】
樹園地をまず造って、そこに新規就農や親元就農の人たちを呼び込むということでしょうか。


【農業振興課長】
新しく拓くのではなく、もともと使われていた樹園地を離れるとき(離農)に、そのままにするのはもったいないから、ということですね。


(農業関係者 Aさん)
今の樹園地だと、どのように造るか。昔は作業の効率が良くなかった樹園地が、どう変わるか見せてもらえば、担い手もまだまだやる気が出るのではないかと思う。


(農業関係者 Gさん)
天草では獣医師不足が非常に問題になっている。他県のある地域では、獣医師が少ないため、都会にいる獣医師にタブレットを使って遠隔で診療してもらい、薬は地元の獣医が出すといったシステムを行っている。そのようなシステムを天草でも作ることができれば、天草に獣医がいなくてもペットショップなどの獣医に診療してもらい、注射は、打てる人は打てると思う。そのようなことができれば、天草に獣医を呼ばなくてもできるのではないか。市だけではなく、農協でも検討してもらい、早急に対応してほしい。


【農業振興課長】
現在、3人の産業動物医がおられます。2人では足りない、3人は必要ということで、獣医がいた方が畜産農家の方も安心だと思いますので、遠隔診療については見守っている状況ですが、獣医師問題においても、やはりIT化は必要になってくるかと思います。県内のある地域では、畜産農家を20分で回ることができるのに対し、天草は距離があり時間がかかり過ぎてしまうので、「タブレットを使って診療ができないか」との話もでているようです。


(農業関係者 Iさん)
共済組合の運営で、獣医が上天草までは月に2回くらい来て回っているが、それを「天草全域に月1回でいいので回ってくれないか」という要望を出している。今月中には部会にも伝えようと思っている。畜産農協の方も合併して全域になったので、組合の意見として出していきたいと思っている。


【経済部長】
本日は女性の方もいらっしゃいますので、女性が働きやすくするための要望があればご意見をいただきたいと思います。


(農業関係者 Fさん)
JA本渡五和ではミカンを作っている女性を「ミカン女子」と言っているが、新規でミカン作りをされる人、親御さんやおじいちゃんのミカン農家を継ぐ人など、ちらほら出てきている。そういう人たちは「認定農家」という本当のベースがない人たちが農家を始めている。認定農家でない人も、市からの補助があるので機械導入や園地整備をさせてもらっているが、「認定農家」という縛りを少しでも緩めてもらえれば、園地整備にしても機械整備にしても、もう一つ大きな整備までできる気がする。
あと、市の「農地バンク」というものは進んでいるのか。「もう、やめる」と言いつつ引き継がれないまま何年も過ぎて、そのうち優良園地は無くなっていく。農地バンクというものをもう少し上手に活用できればと思う。ぜひ、ミカン女子に目を向けていただきたい。
また、そのような若い人たちも、わざわざ市役所や農協に行って何があるのか聞かなくても、スマホでできるようなことがあると思うので、若い人たちに向けてもう少し情報発信をしていただければと思う。今どきのお知らせの仕方を、若い人たちに向けてしてほしい。うちのミカン女子たちは頑張っているので。


【馬場市長】
新規就農か認定農家でなければ支援がないということですよね。


【農業振興課長】
親の後を継いで農業を始められた人には今まで支援ができませんでしたが、今回の「親元就農奨励金」では支援の対象になります。ただ、私たちも全ての農家さんの情報は分かりませんので、農協さんを通してでも教えていただきたいと思います。また、今言われたように、スマホを使うのも良いと思います。


【馬場市長】
情報発信に関しては、全ての面での課題になりますので、改善していきたいと思います。


【農業振興課長】
それでは次に、皆さんから農協を通じて事前に提出していただいた意見交換を行いたいと思います。
まず1点目に、「青色申告でないため、収入保険に加入できない事案がある」というご意見。
2点目、「収入保険の加入の掛け金が負担になっている。苓北町でもされたので、天草市でも検討いただけないか」というご意見。
3点目に、「畜産分野での収入保険が適用されないということで、これについて行政から国へ強く要望して欲しい」というご意見。収入保険に関して3つのご意見が出ましたので、これに対して回答させていただきます。
1点目に関して、全ての方の収入を市が補てんするということは不可能ですので、収入保険への移行をしっかり推進していきたいと思います。
2点目の収入保険掛金に対しては、掛け捨て部分について県が3分の1を負担していますが、農家さんの収入を保障する保険というのがいろいろとあり、その中で収入保険にだけ特化して補助をするというのは難しく、現時点では、収入保険に対する助成はしていないというのが実状です。
3点目の畜産分野での収入保険ですが、畜産にもいろいろな経営体があり、大きな経営体の所は収入保険の方が有利だと感じていらっしゃるようですが、一方で、小さい経営、中小規模以下の経営の所は、経営安定交付金事業であったり、補填事業であったりと、それらの制度の存続に対する要望が全国的にあっています。ですので、「収入保険を選ぶのか、今までの補填制度を選ぶのか」、そこは畜産農協などと農家の方でしっかりと議論をされて、畜産農協から国へしっかり要請していくことが必要であり、その中で、市や農協が応援できる分は応援していきたいと考えています。


【農業振興課長】
次に、市の事業に関する要望がいくつかありました。
「近年、施設の建設費が倍以上に高騰している。国の助成もあるが市で対応してほしい」
「年齢を区切るなどしたところで、新規事業の創設を、補助率をアップしながらやって欲しい」
「市単独事業、県事業について、天草市の補助率を加算してほしい」
「認定農家とそうでない農家の補助率が違うので統一してほしい」という意見でございます。
新規就農者が最初の5年間で行う施設や機械の整備などにつきましては、補助率2分の1で1人500万円までの補助を、市単独で実施しています。もし国からの5割の補助をもらった場合は、最大7割まで加算することができます。国が5割であったら、市が2割です。4割であったら3割と、国・市合わせて最大7割までは助成をするということです。対象は新規就農者ということで絞らせてもらっていますが、就農定着までは負担が大きいということで、補助率をアップして実施しているところです。
市単独事業、県事業の補助率を加算してほしいという要望に関してですが、これについては基本的に国事業は50%なのですが、市は10%で6割補助というのが本市のスタイルです。県の補助が2分の1あった場合には市の上乗せはしておりません。県が3分の1の場合は市は15%、合計48%の補助率を基本として実施しています。天草市は県下14市の中で、突出して補助事業のメニューも多く、率としても3割の補助をしている他の自治体はありません。県内でもトップレベルの支援事業をしておりますので、これ以上の補助率のアップというのは難しい状況です。ただ、補助率のアップではなく、「こういう支援がほしい」というのをぜひ、農協さんを通じて、1人の意見ではなく部会の意見として出していただければ、メニューの再検討で対応できるものについては対応していきたいと思います。


(農業関係者 Dさん)
回答を頂いたが、最近、週に1回のペースで燃料費も上がっているので、その辺も補填できないものかと、意見を出させていただいた。


【農業振興課長】
燃油等物価高騰対策としまして、昨年はコロナの臨時給付金を活用し、約2億円の事業を9月の補正で実施しました。今年は9月議会に3つの事業を約9千万円、物価高騰対策としてさせて計上させて頂く予定です。


【馬場市長】
燃料の高騰に関しては国民皆さんの話になってくるのですが、市単独でそのような対策を行うのはかなり難しくなります。今年は国からの財源を活用し、LPガスに対する支援事業をさせて頂きました。農業においては、省エネのための機械導入や、将来的に経費節減になるような取り組みに対しての補助を考えており、昨年は省エネ機械の導入やハウスなどに対して補助を行いました。


【農業振興課長】
次に、「出荷に係る輸送費の助成はできないか。」というご意見です。これは運転手の労働時間など、2024年問題というのは私たちも十分承知をしているところです。ただ、この問題は農業だけの問題ではなく、全ての産業分野で関わる問題となりますので、総合的にいろいろな団体と意見交換をしながら、総合的に判断していく必要があると考えています。


【馬場市長】
こちらにつきましても、全国的な問題となります。この2024年問題というのは、運送業界が非常に危機的状況にあるため、いろいろと対策が考えられています。コンビニチェーンやスーパーなどの流通においては、「みんなで協力して、トラックでの輸送を共同でやろう」というような話も出ています。これにつきましては、全農さんも含め、今後どうしていくのか国全体で考えていかなければならないと思っていますし、できれば、こちらの天草でも運送業者と議論しながら、どうすれば適正な値段で持っていけるのか、どうすれば作業が楽になるのか、コストが下がるのかなどを議論していこうと思っているところです。これは非常に難しい問題ですし、大変な問題であると認識しておりますので、お時間を頂きたいと思います。


【経済部長】
物流は全国でも問題になっています。コストを下げるため、トラックに効率的に積むために段ボールのサイズを統一することなど、コスト削減のためのアイデアなどがあれば予算化もしていきやすいと思います。


【農業振興課長】
次に、「果樹園の基盤整備の環境作りをしてほしい」ということですが、果樹振興は重要ですので、市から県に依頼し、単県事業として政策を作ってもらいました。それと併せて、市単事業も行っています。国、県、市の事業を合せると、8割以上の補助を得て小規模基盤整備を行える制度が確立できていますので、ぜひこれを利用していただき、各産地で取り組んでいただきたいと思います。
次の「野菜の生分解性マルチの支援」についてですが、今年レタスにおいて実証事業を始めました。これに関して本格的な事業をしてほしいという要望について、国のみどりの食料システム戦略(環境保全型農業)、それと先ほどのスマート農業、この2つに合致する大変有効なニーズかなと理解しています。
次の「野菜価格安定事業」に関してですが、基準単価の見直しはR4年度に見直しを行ったところです。


(農業関係者 Oさん)
生分解マルチを試験的にさせてもらっているが、これを実現させるためには、経費が普通のマルチの3倍かかる。3倍するマルチを使うとするなら、少し補助をしてもえないか。取りまとめて、部会で検討させてもらってから協議させてもらいたい。あと野菜価格に関しては、基準価格を上げてもらうと安心して農業に取り組めると思う。


【農業振興課長】
生分解性マルチに関しても広められるよう、農協と協議をしながら、私たちも一緒に勉強していきます。


【農業振興課長】
次に畜産についてですが、「10月から牛のセリが大津町の県家畜市場に統合されることで、出荷に係る経費も増えるため助成をしてほしい」ということです。これについては、正式に移行する10月以降は市でも助成を始めます。ただ、セリ価格が高い位置で安定することを目指した市場の合併でもあると思いますので、助成をいつまで継続するかについては、今後の状況を見て検討していきたいと思います。
「廃業畜産農家の空き牛舎を、新規就農者や規模拡大を目指す若手農家へ移行できるよう補修等を検討してほしい」ということですが、これは、先ほど紹介した補助率2分の1、最大500万までというところで、新規就農者については助成が可能です。しかし、一般農家については、牛舎の補修というところまでの助成は今のところ実施していません。


(農業関係者 Iさん)
今年度から畜協での導入事業がなくなるので、今後、市の導入事業(母牛を市が購入し貸し出す事業)を使う人が増えてくると思う。ヘルパー事業(肉用牛の市場出荷代行など)も、1~2回はやってみないと分からないと思う。


(農業関係者 Jさん)
10月からの運送料の助成は有難いと思っている。県市場へのヘルパー事業は先ほど言われたとおり、一度やってみないと分からないので、また何か困ったことがあった場合は市に要請するかもしれないので、その時はよろしくお願いしたい。


(農業関係者 Lさん)
畜産農協でアンケートを取られたが、「輸送が一番心配」という意見が多かった。ここにきて子牛の価格が安くなり、そして熊本の市場まで連れていくというのにはものすごく不安がある。なので、その生産者の不安を取り除くための一つの手段として、ヘルパー制度と、市に輸送費の支援をお願いした経緯がある。


(農業関係者 Kさん)
畜産農家の減少に歯止めをかけるための助成ということで、今、天草の水田ではWCS(飼料稲)の作付面積のウエイトがかなりある。これは、畜産農家の飼養頭数の維持増加の中で何とか維持されているが、畜産農家も価格低迷が進む中、畜産業が廃業となれば水田の耕作放棄の増加にも直結する。基盤整備をしたところでも、耕作放棄地が増えてきている状況なので、畜産農家だけへの助成にとどまらず、水田農家に対してもよろしくお願いしたい。


【農業振興課長】
今言われたように、「水田農業に直結する」というところで、畜産の飼育頭数の維持も重要だと考えているため、畜産に対しても、ある程度の予算を付けて支援をさせてもらっています。H28年度と比べると畜産農家数は減ってきていますが、飼育頭数は増えています。これは、若い農家の方を中心に大規模化が進んでいるものと考えられます。ただ、これも今が上限で、今後年配の方が辞めていかれればどんどん下がっていくと懸念しています。これを何とか、維持をしなければならないということは理解しておりますので、水田農業を守るためにも、畜産農業の振興事業も頑張っていきたいと思います。


(農業関係者 Gさん)
今、高校へ就農アドバイザーとして行っているが、そこでよく出るのが、就農したいという小・中学生がいても、学校の先生方が農業のことをあまり知らないとなかなかサポートできないので、先生たちに対しても、農業を勉強していただく場を作ることができないかなということ。今もそのような場はあるが、それでも足りていないというのが現場の声。市単独でなくても、農協と協力してできないのかと。何か違うことをやらないと、農家がどんどん減り、本当に歯止めが効かなくなると思うので、お願いをしたい。
あと、新規就農や親元就農に関しては非常に手厚い支援体制があるが、夫婦で農業をする場合、奥さんは家庭に入って家事や子育てをしながら農業もしているので、そういうところに対する支援も必要ではないかと思う。一般企業とかで言うならば、「育児休暇」などがあるし、他の市町村だと「農業で家族協定を結んでいる人が結婚したら祝い金」など、農業分野においてもそのような支援が必要ではないかと思う。なぜかというと、夫婦で農業をしていると、その子どもはすごく農業に興味を持つ。農業をするかどうかは別として、農業に興味を持ち、天草に対して愛着を持つと思う。そういうところにも手を入れていくべきではないか。そういう政策があれば、若い農業者などの後押しにもなると思う。


(農業関係者 Aさん)
子どもたちに、小さいうちに天草でどういうものが作られているのか、デコポンはどんな花で、どんな実がなるのかなどを教えていくことが大切だと思う。青壮年部と女性部が一緒になって、一度地元の小・中学校に食育をしに行ってくれと頼んだこともあった。そういうことをすれば、少しでも農業に興味を持つ若い人が出てくるのではないかと思うので、生産者部会でもいいので、そういうことをしてみてもいいのではないかと思っている。


【馬場市長】
天草の子どもたちに「生きる力」を育ててやらなくてはという思いから、まさに今、「体験学習の島づくり」という事業を進めています。「生きる力」、これが何よりも大事で、これから世の中に出ていく中で、特に今は「IT」とよく言われていますが、ITだけで生きていけるわけではなく、やはり「自分の力で飯が食える、何かあったとしても自分の力で生きていける」といった力をつけさせることが重要です。昨年度から、天草小学校と天草中学校をモデル校として体験学習の取り組みを行っており、これを来年から市内全ての学校に広げていきたいと思っています。皆さんにぜひお願いしたいのが、先ほどお話がありましたように、農業をされている現場の皆さん方が学校へ赴いて、子どもたちを農地に連れて行き、農業を体験させていただいたり、収穫した作物を食べさせたり加工したりといった体験をさせていただきたい。この天草だからこそできる、その地域だからこそできる体験をさせて頂きたいと思っています。ぜひ、ご協力をお願いします。
先生方の農業の学習に関しましても、子どもたちと一緒にやるということで、先生の意識も変わってくると思っております。「農業をすれば本当に幸せな生活が送れる」というモデルを高校教育で学んでいく必要があるのではないかと思っておりますので、県や拓心高校とも話をして、ぜひそういう教育ができるような体制づくりを目指していきたいと考えております。幼い頃の体験というのはとても重要だと思います。
また、奥さまや女性のサポートが欲しいというご意見がありました。これにつきましても「女性としてどういうことがあれば良いのか。どうすれば農業を頑張っていけるのか。」などを、ぜひ教えていただきたいと思います。どういうサポートをしていけばいいのか、その辺のアイデアをぜひ皆さんで話し合っていただき、天草版スマート農業のメニューの中にもしっかり盛り込んでいきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


【馬場市長】
本日はありがとうございました。貴重なご意見を聞くことができましたので、改めて、農業の発展・振興のために努力し、しっかり政策として実行していきたいと思います。今後も、いろいろなご意見あればお願いしたいと思います。本日はありがとうございました。

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