大島(故郷)への上陸
11月23日、牛深町大島で50年前のタイムカプセルが掘り起こされました。
「大島」は牛深町(牛深漁港)から5kmの沖合に位置し、昭和30年ごろには約400人もの人が住んでいた島。島全体は海で囲まれ、漁業が盛んであり、夏は島外からキャンプに訪れる人たちもいました。その反面、水不足や牛深町とをつなぐ渡し船の休航など厳しい生活環境の中、人口減少などの過疎化が進み、昭和49年12月に島民全員が牛深町(大池田)へ集団移転することになりました。
今年で移転から50年。移転前に島民が学校の敷地内に埋めたタイムカプセルを開封するため、実行委員会を中心に卒業生9人が50年ぶりに故郷の大島へ渡りました。
牛深港を出港し、約15分で島に到着。学校の方向へ藪の中を歩いていき、学校の校門が見えると「ただいま~!」といった声も。タイムカプセルを掘り起こし、校門前で記念撮影をした後、全員で校歌を歌うと、懐かしさのあまり涙を流す参加者もいました。参加した女性は、「当時は小学4年生でした。昔に比べて今の生活は何不自由ないけど、島での暮らしも好きだったので思い出がたくさんあります。元気なうちに来れて本当に良かったです」と笑顔で話していました。
学校の校門を発見!
みんなでタイムカプセルを掘り起こします
記念撮影のようす
校歌を歌うようす
開封までドキドキ・ワクワク
タイムカプセル開封式
同日、天草市役所牛深支所2階で「大島小・中学校タイムカプセル開封式」が行われました。開封式には、当時大島小学校3・4年生の担任をしていた恩師の先生も出席され、卒業生と一緒に近況や思い出話に花を咲かせていました。会場では、集団移転する前のドキュメンタリー映像が放映され、島の概要や伝統行事・移転する住民の心境など、懐かしさを感じつつ、大島での生活を思い出す時間となりました。
その後タイムカプセルを開封。中身は当時の生徒たちが描いた絵や作文・カセットテープ・表彰状などが入っていました。卒業生は自身の作品を見返すと写真を撮ったり、お互いの作品を見せ合ったりしていました。
今回の企画について、実行委員会委員長の矢田健一郎さんは、「最初はみんな集まってくれるか不安でしたが、思いのほか皆さん集まって盛り上がってくれたので、開催して良かったと思っています」と安堵の表情を浮かべていました。
作品を見せ合う卒業生
実行委員会:北川洋二さんの当時描いた作品
恩師と一緒に記念撮影