午前9時、開会式を終えて旧島子小学校を出発。大きなアコウ樹が自生する「対岳楼(たいがくろう)跡」には、江戸時代末から明治にかけて3階建ての庄屋の別荘があり、対岸に雲仙を望む眺めの良さから、全国から多くの文人が訪れていたことが説明されました。
次に訪れた大島子諏訪神社は、1637年10月、天草と島原の一揆勢約6千人が集まり、当時天草を治めていた佐賀唐津軍に鉄砲を撃ちかけ、天草・島原一揆の初陣の地となった島子の戦いが始まった場所でもあります。新型コロナウイルスの終息を願ったアマビエ様も奉られ、今でも地域の皆さんの拠り所となっています。
そのほか、昔、子どもの歯が痛むとき、大豆を炒って子どもの年の数だけ供えて埋めて「この豆が芽を出すまでは、歯が痛まないように」と祈ったといわれている「歯痛止め観音(如意輪観音)」や、江戸時代、栖本への道と本渡への道の交差点であった「辻」と呼ばれる十字路に祭られている「石仏様」などをガイド。途中、島子地区振興会の皆さんによるぜんざいのおもてなしでおなかを満たしながら、約2時間かけてゆっくり歩きました。新緑と春の息吹を感じながらふるさとの歴史と文化に触れた1日となりました。