
5月15日、二江地区コミュニティセンターで「イルカと人との共生」に向けた海の環境に配慮した勉強会が開催され、35人が参加しました。
これは、天草市イルカウォッチング事業者チーム(※1)が主催しているもので、今回の勉強会は、昨年から引き続き4回目の開催。
講師として、いおワールドかごしま水族館の柏木伸幸さんを招き、「天草のイルカと鹿児島の海のほ乳類」と題し講演を行いました。

講演では、水族館の役割や取り組み、鯨類のストランディングの原因、錦江湾と天草のイルカなどについての話があり、参加者はメモを取ったり、スライドを撮影したりしながら熱心に聞いていました。
講演の前後には、水族館において、イルカを呼ぶときに使用する道具=コーリングや、コミュニケーションを取るときに使用する笛、飼育するハンドウイルカの母乳も持参され、初めて間近で見聞きする専門の道具などに参加者は興味津々でした。
また、2カ月前に飼育するハンドウイルカが出産する映像も上映され、「イルカにも陣痛があります」と柏木さん。また、「産まれる1~2日前に体温が下がり、産まれる赤ちゃんは人間で言うと逆子状態で産まれ、すぐに呼吸をしに水面に向かって泳ぎ出します」と解説付きで紹介。今後、水族館での研究がますます進むことで、イルカの生態や行動についての知識が深まり、彼らの保護や飼育方法に役立つことが期待されています。
最後に、講師の柏木さんは、参加者に対して、「天草にはイルカがいるという素敵な環境があること。ぜひこの素晴らしい環境を再認識し、イルカたちと共に過ごす時間を楽しんでいただきたい」と話しました。
(※1)天草市五和町でイルカウォッチングを運営する天草海鮮蔵、イルカウォッチング総合案内所(イルカクラブ、ドルフィンクルーズ、マリンワールド)、門口水産、丸健水産の6事業者が、天草の海の資源を守り、環境・生業・観光を持続可能にする活動を行うことを目的に設立したチーム(令和6年3月)。主な取り組み内容は、以下のとおり。
・お客様の安心・安全の確保
・漁師および関係者の収益機会および安心・安全の確保
・野生イルカが生息しやすい環境の確保