
6月5日、有明町赤崎漁港において、有明小学校の児童を対象とした海洋環境教室とアマモの投入作業が行われました。
市では2016年度より水産資源の回復やCO2吸収源の増加を目的として、漁業者と一体となって藻場の再生・造成や資源管理などに取り組んでいます。
そのなかで、アマモ場の分布域が減少・消失していた有明町赤崎・須子地区において2020年度よりアマモ場の造成活動を開始し、継続的なモニタリング調査でアマモ場の分布拡大が確認されたことが評価され、2025年3月に県内初の「Jブルークレジット」認証を取得しています。
これらの取り組みを地域の人や子どもたちにも知ってほしいと、市水産振興課による海洋学習が企画され、有明まちづくり協議会と有明小学校の5年生児童27人が参加しました。
今回は、水産資源や海洋環境について学び、「天草市ブルーカーボン推進協議会」の一員としてアマモの育苗、移植に取り組む天草拓心高校マリン校舎の高校生が、特別に小学生に講義を行いました。講義では、魚のすみかや産卵場として重要なアマモ場は「海のゆりかご」と呼ばれることや、アマモの葉に住む生物が海底の土を浄化することなど、その生態や役割についてクイズを交えてわかりやすく話され、子どもたちも一生懸命に耳を傾けていました。
講義を終えると港に場所を移し、子どもたちは一人1つずつ、自然にかえる育成用袋の中に砂とアマモを一緒に入れて準備。大きく育ってほしいと願いを込めて一斉に海へ投げ入れました。海底に落ちたアマモの種子は夏の間泥の中で過ごし、冬に発芽すると冬から春にかけて成長するということです。
体験を終えた子どもたちは、「アマモが海藻ではなく植物と知って驚いた」「魚が住みやすい海になるといいと思う」と感想を話していました。