市が令和6年度から実施している上田家文書(天草町高浜)の調査で、潜伏キリシタンに関する新たな古文書を発見しました。8月25日(月曜日)には報道発表を行い、新聞・テレビ等でも取り上げられたところです。
今回発見した新史料は、9月12日(金曜日)から、天草ロザリオ館で展示します。いち早く公開するこの機会に、ぜひご覧ください。
新史料「口達」(こうたつ)とは
文化2(1805)年に、大江村・﨑津村・今富村・高浜村で潜伏キリシタンが検挙される「天草崩れ」が発生しました。取調べの結果、4ヶ村で5,205人と判明し、その翌年、島原藩は幕府と話し合った結果、キリスト教とは異なる『「異宗」を信仰した「心得違い」をしていた者たち』として穏便に処理しています。
この天草崩れの裁定について、島原藩の役人が庄屋を通じて住民に処分を言い渡した文書が「口達」です。この古文書には、内密に「異法」を信仰していたのは不届きであること、心底悔い改めていることから幕府は寛大に処置すること、今後、心得違いがあれば厳罰を課すことなどが記されています。こうした内容を記した原資料が発見されたのは初めてのことです。
なお、口達を言い渡したのは、その他の資料から文化3(1806)年9月12日だったことが分かっています。
報道発表を行いました
今回の新史料発見のニュースを広く周知するため、8月25日(月曜日)、報道発表を天草市役所で実施しました。当日は馬場市長や、古文書調査に協力をいただいている熊本大学の安高啓明・准教授などが出席。馬場市長から新史料発見に至る経緯などを説明した後、安高准教授が本史料について学術的視点で解説。「天草崩れの裁定について記された一次資料である」「類例がほとんどなく貴重である」などと高く評価されました。
新史料を展示公開します
今回発見した「口達」を市民の皆さんにも、いち早くご覧いただくため、9月12日(金曜日)から展示公開します。皆さん、この機会にぜひご来館ください。
展示期間:9月12日(金曜日)~12月25日(木曜日)
展示場所:天草ロザリオ館(天草町大江1749)
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 :水曜日
入館料 :大人300円/高校生200円/小中学生150円
(20名以上の団体は2割引き)