通称「天草四郎陣中旗」は、寛永14(1637)年に起きた天草島原の乱において、
3万7千人ものキリシタン宗徒を率い、12万の幕府軍と戦った天草四郎が使用した
軍旗と伝えられています。
縦横108.6cmの菊花文織白綸子製(きくかもんおりしろりんずせい)の指物で、中央に大聖杯、その上に聖体聖餅(せいたいせいへい)、左右に合掌している天使が描かれ、点々と残る血痕や矢弾の跡に一揆の激しさがうかがえます。我が国の初期洋画家である山田右衛門作(やまだえもさく)が原城内で描いたもの、あるいは禁教令以前のセミナリオで聖旗として描いたものとも言われ、日本におけるキリシタン史上、また洋画史上最も貴重な資料として重視されています。
この旗は、天草市立天草キリシタン館で、収蔵・展示されていますが、これ以上の劣化を防ぐために、年間30日間のみの公開と制限されており、通常はレプリカを展示しております。
実物の公開日については、天草キリシタン館にお問い合わせください。
■指定区分:国指定
■指定種別:歴史資料
■指定日:昭和39年1月11日
■地域:本渡
■所在地:船之尾町19-52 天草市立天草キリシタン館