18世紀末に製作された高浜焼の皿で、西洋風にアレンジされた独特のデザインは他の窯には類を見ないものです。また、海外の需要によって製作されたものであることを示しています。
口縁(こうえん)は刻み込んで6稜の花弁形とし、その1つ1つに葉唐草と蓮唐草を交互に押型(おしがた)の浮文(うきもん)でほどこしています。染め付け二重円圏内に、植物を文様化した蝶を透けたレースのような羽で3方に広げ、余白の三叉部は、華やかに唐草をまとわせた菊の枝で埋めています。まとまりのある図柄を、濃い染体と落ち着いた色調の赤、緑、黒、金彩で上絵付けした重厚な風格をもつ大皿です。
■指定区分:県指定
■指定種別:工芸品
■指定日:昭和50年7月18日
■地域:天草
■所在地:天草町高浜南 上田資料館