大矢遺跡は、縄文時代を中心とした遺跡で、本渡市街の北部を流れる広瀬川河口左岸に形成されています。標高3mほどの小砂丘に位置し、遺跡は約1万平方メートルにもおよぶと考えられています。
発掘調査により、縄文時代前期から後期までの遺物包含層が良好な状態で堆積していることが判明し、縄文土器の型式編年の上でも重要な位置を占める遺跡となっています。
また、縄文海進・海退現象が確認される珍しい例でもあり、東日本の縄文文化との交流を想像させる土偶や動物を似せて作られた土器が出土したほか、朝鮮半島に源流があるオサンリ型結合式釣針の石製軸部などの豊富な漁労具も出土しています。
その他にも、出土した縄文土器に、籾がらのあとが残っているものがあり、縄文時代の稲作を示す資料の一つとして、学界でも大変注目されています。
■指定区分:県指定
■指定種別:史跡
■指定日:平成7年3月15日
■地域:本渡
■所在地:本渡町字広瀬134