楠浦町立浦地区には、五輪塔などの石造物が散在しています。板碑のある場所は「寺山」と呼ばれ、室町時代から戦国時代には寺院があったところと考えられています。
この板碑は荒神祠と一緒に堂中に祀ってあり、建立年月は天文8(1539)年2月の彼岸日です。
碑の中央には阿弥陀如来の坐像が浮き彫りにしてあり、その下に碑文があります。さらに、その右・左には男女の戒名が彫ってあります。
碑文は文字が欠けているので判読が難しいですが、東隆真氏(駒澤大学教授)によると、信心深い老夫婦が存命中に戒めを受け、死後の願いをたくすためにこの碑を建てたものとされています。
■指定区分:市指定
■指定種別:建造物
■指定日:昭和49年3月19日
■地域:本渡
■所在地:楠浦町立浦