修行僧の勉強や宿泊の場として使われていた衆寮堂(しゅうりょうどう)を、明治8(1875)年の御領小学校の開校時に校舎として借り受け、明治13(1880)年に新校舎ができるまでの6年間、校舎として使用されました。今でも「衆寮堂を明治7年から17年までの10年間借り受ける」という借用書が残っています。
前面の廊下と後ろの便所がその際増設されましたが、芳證寺(ほうしょうじ)文書によると、建物は当時のまま保存されており、このような建物は国内でも数少ないものと言われています。毎年秋ごろには伝統文化の講師を招き、五和町の小学生を対象として寺子屋体験学習が開かれるなど、人々に親しまれている文化財です。
■指定区分:市指定
■指定種別:建造物
■指定日:昭和56年6月2日
■地域:五和
■所在地:天草市五和町御領字馬場 芳證寺内
※夜間の見学はご遠慮ください。