旅館白磯は天草町高浜にある現役の旅館で本館、倉庫、離座敷が国登録文化財です。
高浜出身の赤﨑伝三郎の自邸として、昭和12(1937)年に当時としては珍しい和洋折衷の建物が建てられました。本館と倉庫を赤﨑が、離座敷は大正3(1914)年に松岡福太郎が建てています。
家主の赤﨑伝三郎は青年期にアジア周辺国へ渡り、その後マダガスカル島にてホテル経営などの事業を起こし、一代で財を成した人物。明治37(1904)年の日露戦争の頃にロシアのバルチック艦隊を目撃し、ボンベイ日本領事館にその動向を打電した人物としても知られています。
赤﨑は昭和4(1929)年に帰国し、高浜小学校皿山分校、ホテル望洋閣などの多くの施設の建築に携わりました。これらの内、高浜小学校皿山分校は一部現存していますが、当時の建築が良好に残っているのは旅館白磯だけです。
■指定区分:国登録
■指定種別:建造物
■登録日:平成26年12月19日
■地域:天草
■所在地:天草町高浜南字御手洗2725-3