浄化槽は、微生物の働きによりトイレの排水や生活雑排水をきれいにする設備です。
微生物がしっかり働けないと浄化力が落ちてしまい、汚れたままの水を川や海に流してしまうことになります。浄化槽が機能を発揮するためには、いろいろな微生物が汚れを食べてくれることが必要です。
微生物が働きやすい環境を整えるためには、「保守点検」「清掃」「法定検査」という3つの維持管理が不可欠です。浄化槽のしくみを知り、維持管理の3つの約束と役割を理解して、きれいな水環境を守りましょう。
なお、3つの維持管理については、「浄化槽法」により定められた義務で、浄化槽をお使いの方は必ず守っていただく必要があります。適正に管理されていないと判断される場合、改善の勧告や命令が出され、従わない場合は、罰金等が科されますので適正に維持管理を行いましょう。
定期的な清掃が必要です。清掃は許可業者に委託し行いましょう。
浄化槽を適正に使用していても、1年程度経過すると槽の中に微生物の死骸などがスカムや汚泥となって溜まります。スカムや汚泥が溜まりすぎると浄化槽の機能に支障をきたし、十分に処理されず水質の低下や悪臭の原因となることから、年1回の清掃が必要になります。
ただし、使用状況により清掃時期が早まる場合がありますので、定期的な保守点検の作業も必要になります。維持管理が適正に行われないと、浄化槽の機能が低下し、汚れた水が流れ出して地域の川や海などの環境汚染の原因になるばかりでなく、浄化槽の機能を正常に戻すために余分な費用が掛かることになります。
※使用者は清掃記録を3年間は保管しなければなりません。
浄化槽を設置した初年度と毎年1回行われる定期検査(法定検査)が必要です。
浄化槽は微生物の働きにより汚水を浄化するものです。浄化槽の機能を十分に発揮させるために、日常における浄化槽の正しい使用や管理としての保守点検および清掃が行われます。これらを総合的に診断する精密検査として年1回の「法定検査」を受検することが大切です。
※保守点検を受けているのにどうして検査が必要なのか?
浄化槽の管理者(使用者)は保守点検、清掃とは別に、浄化槽法第7条第11条の規定に基づき、初回および毎年1回の法定検査を受検することが義務付けられています。すなわち、きちんと保守点検されているか、清掃されているかなどを総合的に診断するため、保守点検と法定検査は役割と内容が違うということです。
(4)浄化槽の管理を怠ると罰則があります
浄化槽法では、適切な保守管理(保守点検、清掃、法定検査)が義務付けられています。
海や川を汚さないために必ず守りましょう。違反すると次のような罰則があります。
(1) 無届けや虚偽の届出により浄化槽を設置した場合 | 3ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金 |
(2) 水質・定期検査に関して行政機関の命令に従わない場合 | 30万円以下の過料 |
(3) 行政機関から保守点検や清掃の報告を求められたにもかかわらず、 報告しなかったり、うその報告をした場合 | 30万円以下の罰金 |
(4) 行政機関の立ち入り検査を拒んだり妨げたりした場合や質問に答え なかったり、うその回答をした場合 | 30万円以下の罰金 |
(5) 保守点検や清掃に関して、行政機関に改善措置や使用停止を命ぜら れたにもかかわらず、命令に従わない場合 | 6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金 |